CD「NISUMURA宮古西原 古謡集」。

このぶっとい存在感はどうだ。
ほとんど伴奏もなしに歌われる宮古西原の古謡。
73’~74’に録音されたものらしい。
が、今聴いても廃れることがない。
ブルースというのは、こういうものなのかもしれない。

曲調によっては沖縄っぽかったり、八重山っぽかったり、
ヤマトの民謡や演歌を思わせるものもある。
「なんかそんな感想を前にも持ったことがあるな」と思い返すと、
多良間島で聞いた八月踊りの音楽が、まさにそんな感じであった。
文化的には、やはり近親関係にあるのだなあ。

しかし、沖縄っぽい曲調でも、聞こえ方はずいぶん違う。
沖縄の女声が基本的には喉を広く開けて歌うのに対して、
このアルバムでは、女声のほとんどが喉を閉め気味に歌ってる気がする。
だから沖縄より、ヤマトの民謡や演歌に近いものを感じるのかもしれない。

その発声法の一因を圧政と人頭税に苦しみ、
ソバの具まで、見つからぬよう麺の下に隠した
宮古の歴史と重ね合わせるのは、穿ち過ぎなのだろうか。

波照間と比べて、曲調が暗くないのも特徴だと思うが、
それは、波照間より暮らしが豊かだったということではないのであろう。
悲しみの表現の仕方が違うのであろう。

明るく踊り飛ばす、唐船どーいなどの歌も、
ベースに琉球弧の民々が抱える悲しみを意識しないと
大きく聞き違えてしまう気がする。

これをアップした時、
リマスターされた久保田麻琴さんに
「Oh miGod ! お見事.」とコメント頂きました。
飛び上がるほど、嬉しかったです。
リンクしておきます。
その時、久保田さんに教えて頂いた動画も貼っておきます。
(20200723記)

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