京極スタンド、正月の悲喜こもごも。

京都の仕上げはスタンドへ。
すでに満席でした。。

とりあえず一人新年会。
新年会らしく樽酒。
つまみはきずしとセブンスター。

では、ここからドキュメント。
一枚目の写真で、一番手前に座ってるオッサンの話です。

新京極のスタンドに入ると、空いてる席は一席。
一番奥のカウンター席だった。
なぜかスタンドは、誰も並んでなくても、
中に入ると満員ってことの多い、不思議な店だ。

ここで、説明しておくと、
スタンドは、入った一番奥に厨房、
厨房に向かって左手には5〜6人座れる丸テーブルが3つ。
右手には、対面式の長いカウンターがある。
知らない同士が狭いカウンターを挟んで向き合う
よそでは見たことのない作りになってる。

その壁側の一番奥にワシ、隣に件のオッサン。
いきなり、向かいのカップルがオッサンに
「ではお先に」と挨拶して帰って行った。
まだ、食い物残ってるのに。
知り合いか。いや違う。残った皿をオバちゃんが片付けた。
そのオバちゃんにオッサンが酒をぬる燗で注文。
やばい!呂律が回ってない。まだ4時前なのに、泥酔寸前。
しかも、オッサン、ネクタイにスーツ。
見たところ、50代、もしかしたら、ワシより若いかもしれん。
どーいうこっちゃ。
なんか、俄然興味が沸くが話しかけられたくはない。

出て来たぬる燗に「もっとあっためてえや!」
オバちゃんから、小さい声で「我がままやなあ!」の声。
向かいのカップルが帰って、話し相手がいなくなったのか、
「独身は正月寂しいねん!」と一人叫ぶ。
それは、ワシも分かる。
おっさん、お気に入りのオバちゃんがいるらしく、
「和子さんはいつ来るねん!」とオバちゃんたちに聞くも、
オバちゃんたち、忙しくて、それどころやない。

あ、左隣の中年カップルがオッサンに話しかけてしもた。
内容は聞こえなかったがオッサン、大喜び!
「あんた、うまいことゆうなあ」
水を得た魚のように話し出すオッサン。
「おい!この二人にビールご馳走したって!」
「うちは、それ(知らない人におごること)は
あかんことになってるねん!」
「じゃあ、熱燗」
「それも、あかん!」
「熱燗にあかんて、しゃれかい!」
ワシは、オッサンに見つからんように、
背中を向けて、ゲラゲラ笑ってる。

カップルが「しまった」という顔をしながら、
「では、お先に」と帰って行った。
ワシが入って来たときも、このような状況だったんやろう。
そのカップルが、オッサンとワシの背中側を通って
帰るのを見送ったときに、
笑ってるワシに気づき、
「お!兄ちゃん、ワシ、おもろいか?」
「ええ、メチャクチャ!」
「相手にしたら、あかん!次兄ちゃんの番になるで」
小さくオバちゃんの声。
戸惑っているタイミングで和子さんが入って来た。

和子さんは店を切り盛りする三姉妹の長女のようで、
推定70歳の上品できれいな方。
「もう!和子さんの顔見んと正月が来んわ〜」
「私の顔見たさかい、静かに飲んで早よ帰りや」
和子さん、一枚も二枚も上手だ。
オッサンも聞き分けよく、
〆に白ご飯とラーメンを注文。
しかも、盛り合わせでしか出さない
おでんの煮玉子を2個「特別やで!」と
和子さんに言われながらラーメンに乗せてもらう。
(せやけど、おっちゃん、〆によう喰うなあ)
それを食べ終え、勘定を済ませて、終わりかと思うと、
テーブル席に居た、外国人の方に、
「さすがに外人さんはおっきいな〜〜!」とか、
5分くらい、話してから、やっと帰ったのでありました。

おかげで、30分くらいでサッと帰ろうと思ってたワシは、
1時間半以上在席して、6時前、初詣帰りのラッシュに巻き込まれて、
立ちながら大阪に帰ったのでありました。
まあ、おもろかったからええか。

ちなみに、オッサンが帰る直前にお代わりしてしまったため、
帰ったあと、10分くらいいたんだが、
和子さんの使命は、オッサンを帰らすことのみであったらしく、
その後、和子さんの姿を見かけることはありませんでした。

おっちゃん大評判!けっこうコメント頂きました。
(20240103記)

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