カニコーセン、浜口富貴、良元優作、ちくわ朋彦@ポーポー屋。

今日は、出張帰りで、北堀江のポーポー屋に。
良元優作さんがプロデュースするライブだったのだ。
それはちくわ朋彦さんの関西ツアー
「海、夜を見ていた」ツアーの初日でもある。
ちくわ朋彦さん、良元優作さん、カニコーセンさん、
好きなミュージシャンが3人も出るので、
ぜひ行きたかったんだが、
沖縄旅行から帰って二日後のライブで、
体力に自信がなかったので、予約しなかったのだが、
前日、行けそうなコンディションで
まだ席もあったので、
行くことにしたのであった。

やっぱり行って良かった!
行ってみれば、ポーポー屋は満席。
そして、それぞれのライブももちろん良かったのだが、
全体を包む雰囲気そのものがほのぼのとして、
心地よい暖かさだった。

主催の良元さん、それを手伝ったさわさん、
そしてお店のオーナー中東さんのメニューまで今日のために考えた心遣い、
それに応えた出演者、
そしてそれを心から楽しんだ観客たちがいて、成立する、
今日、ここでしかあり得ないライブだったと思う。

それぞれのライブの感想は、それぞれの写真で書くが、
今日はそれぞれのライブ以上に、
全体のムードが印象に残った。

今日は、奥さんのベースと二人組のカニコーセン。
ワシの好きな「酔いが覚めたらうちに帰ろう」から。
しかし、いつもとなんかちゃうぞ?
ところどころに「ノーウマンノークライ」のメロディーが混ざる。
歌詞は「もー呑まんのんかい」やったけど。
変化つーより進化やな。
いきなり、かますなあ、期待させてくれるなあ。

次の「浜辺の暮らし」、
これも前よりずっとまとまって来た気がしたが、
その理由が次の「インクライン」で分かった!
ベースがある方が圧倒的にいい、切ない。
なんとなくベースラインが、なかなか変化しない日々の暮らし、
そしてメロディーとギターがその中で揺れ動く人間の気持ちって気がした。

「ファミリーアフェアー」を挟み、今日初お披露目らしい曲。
曲名は聞き忘れたが
「親に感謝、育ててくれた親にマジで感謝」で始まる曲。笑った!
これは巷に溢れるDQN系ファミリーサンクスソングのアンチソングかなあ。
カニコーセンさんらしいひん曲がったサブカル曲や。
続いて、甲本ヒロトっぽく歌う墓マイラーソング(似てないんだけど)、
これも笑ろた。
青春パンクにも喧嘩売る気か。
カニさん、敵増やすの好きやなあ。

二曲続けて笑わせてもろたんで、
最後の「君の家の犬の顔が好きだ」は、
(これはこれでとんでもない喧嘩売りソングなんだが)
めっちゃスタンダードナンバーに聴こえた。
ワシ、カニさん中毒になって、
スタンダードの基準がおかしなってるかもしれん。

二番手は、浜口富貴さん。
MCを聞くと良元さんが今回声をかけて連れて来たらしい。
さっすが、プロデューサー(笑)。

浜口さんを聴くのは初めて。
神戸を中心に活動してるらしい。
そして良元さんが連れて来たという意識がワシにあるからか、
なんとなくカニさんと良元さんを混ぜたような感じがした。
とつとつとして誠実そうな人柄と歌やなあ。
亡くなった友だちを歌った歌、
素朴だけど、迫ってきた。

最後の沖縄のおじいの歌が、
この人の本質なんやないかと思った。
おじいのダメさの描写、それを面白がる、
人として面白がる目線に愛や同族意識を感じた。
まだ初めてなんだが、なんとなく優作さんが
連れて来た理由がわかるような気がした。

浜口さんを見る良元優作さん。
後輩を見守るような良元さんの視線が、
ちょっと不安そうで、ちょっと嬉しそうで、暖かくて、
「この人はホントにこーゆー人なんだろうな」と思った。

次は、主催者、良元優作さん。
「ジェラスウーマン」、
最近ポエトリーリーディング的な歌い方が多い「月と金星」と続く。
今日はなんか楽しそうな優作さん、倒れた妖怪アンテナみたいな寝癖がかわいい。
やっぱり出演者とプロデューサーを兼ねると、
いつもとは違う感じになるのかな?
「ヘイヘイブルース」を挟んで、おっ?と思うことが起こった。

今日は客席にワシが初めて優作さんを観たブルーモンクのマスターがいた。
数年前に閉店したが、そのラストライブのフライヤーで、
ワシは「優作が、優作になった場所。」というコピーを書かせてもらった。
昔、まだ全然人に知られてない優作さんを
すごく気に入って、
優作さんもマスターの人柄に惚れたのか、
居候までしていたらしい。
そして、昔優作さんがライブすると言えば「ブルーモンク」、
ホーム中のホームだった場所だ。
そのブルーモンクのマスターがいたのだ。

そのマスターが「優作、今日満月やぞ」言ったらしい。
ワシらがいくらリクエストしても断られるが、断るわけにはいかないのだろう。
むっちゃ久しぶりに「満月の手紙」をやってくれた。
本人も久しぶりらしく、一回とちって「でけへんかもしれません」(笑)。

けど始まると圧巻!
ワシ、歌詞に入り込み過ぎて、
息子のこと思って泣きそうになるが、
息子がいないことに気づく。
(ちょっとウソ。けど、半分ホンマ。入り込んだんやろなー)

聴くといつもほっこりする「たあちゃん」
「道間違える」を挟み、
「風につらつら」!
夏の名残がある今日、
この歌聞けて良かった。
歌の内容か、夏が終わるのが寂しいのか、
いつも以上に切なく感じた。
その意味なくセンチメンタルな気持ちを
励ますようにラストは「春の虹」だった。

今、思うと、最近の定番「京阪電車」や「水滴」はやらず、古い歌が多かったな。
優作さんも、ブルーモンクのマスターに喜んでほしい、という気持ちがあったのかな?
なんか結果的に優作さんを初めて聴いたあの頃を
すごく思い出すライブになった。
そのことが、すごく嬉しい。

トリは、今日から関西ツアー「海、夜を見ていた」が始まった、ちくわ朋彦さん。

ちくわ朋彦さんを生で聴くのは約2年ぶりかも。
基本的な印象は二年経っても変わらない。
ギターだけでも心地よい。
コザとか京都元田中のゆったりしたカフェで
午後の気の抜けた時間に、
何にも考えずにいたいときにかかっていてほしい音楽かもしれん。
そこに少しメルヘンな、けど力強いボーカルが乗ると、
心地よさはそのままでなぜか夜っぽくなる。

聴いてるうちに思った。
あー穏やかな一日の波に似てるのかなあ。
波の音は、ずっと変わらないのに、
いつの間にか、周りはポカポカな日差しから、
満天の星に変わっている。
でも、その星も、やっぱり優しく
見守っててくれる。
そんな感じかなあ、
ワシにとっては。

久しぶりだけに、もっと聴きたくなった。
今回のツアー中、
もう一度くらい、ちくわさん、聴きにいきたいな。

アンコールは出演者全員、観客も全員で。

コール&レスポンスがどっちかつーと、
苦手な出演者たちでコール&レスポンスやった!
てのが、今日のライブのムードなんやろなあ。
曲はカニさんの「エブリディピープル」と、
優作さんの「まあいいやで日が暮れて」と、
ちくわさんの「わかってる」って歌詞の印象的な曲。
ちくわさんの曲はらもさんの、
「いいんだぜ」を思わせる名曲でした。

おまけで、オシッコに行きたいのに、
アンコールが盛り上がり過ぎて苦しむ、
ジュンジュン(グラサンズのメンバー、ビグッドでも活躍中)。

もひとつ、おまけ。
世界一万引しやすいカニコーセンショップ。

右の棚の上にカニコーセングッズ。
その向こうがポーポー屋さんで、
カニコーセン関係者は
みんなその中に。

二階にあるこの場所は、左の階段降りれば、もう公道。

万引した瞬間にポーポー屋内にいる
カニコーセン関係者に気づかれても、
ほぼ逃げおおせるだろう。

しかし、そういう不届きものは、一人もいなかった(たぶん)。

それは、今日のライブ観客の質の良さなのか、
カニコーセンの人徳なのか、
カニコーセングッズの商品価値なのか。

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