新春しゃぼん玉エレジー「常さんと優作くん」告知。

3年ほど前に「広告三国志」というブログに、
書かせて頂いた「私が優作を愛する理由」という文章です。
ワシが鈴木常吉さんから良元優作さんを教えて頂いたいきさつなど、
書いております。
今読むと直したくなるところもありますが、
そのまま載せます。

=========================

酔っぱらった鈴木常吉さんが、
独り言のようにつぶやいた。

「大阪に良元優作ってヤツがいて、 
せがれとどっこいどっこいの年なんだけど、 
こいつの歌がいいんだよなあ、しみるんだよなあ」

親子ほど年の違う同業のミュージシャンにこう言わせる
30そこそこのヤツがいる?しかも大阪に?
半信半疑ながら、CDを聞いてみた。

…なんだ?この泣きたくなる気持ち。
何かが自分のどこかを鷲掴みにしてる。
経験したことないエピソードなのに、
自分の日記を見るかのような切なさが
喉から飛び出てくるようにこみ上げてくる。

本人がどういう人なのか知りたくなって、
ライブに通いつめた。
優作さんのライブは大抵20人も入れば満員の
バーや居酒屋でやってる。
自然と話す機会も増えた。
もの凄く素直で真っすぐな人なんだろうと予想してたんだが、
本人に会うと、意外と複雑でひねくれてるところもずいぶんあったりする。
(優作さん!ごめんなさい!)

なのに、いくらひねくれていても、正直だという印象は変わらない。
優作さんの歌もきっと同じなのだろう。
ひねくれた自分、情けない自分、強がる自分、気弱な自分、
彼はそんな自分をきれいごとで包み隠さない。
正直に吐き出す。
だから、彼の歌は15歳以上も年上の僕にでも
「本当のこと」としてヒリヒリ痛いほど、伝わってくるんだと思う。

いったい、今の世の中で、こんなに正直に歌を歌ってる人がどれくらいいるんだろう。
「より多くの人に伝えるため」という大義名分で、
ときには自分さえも騙して、
伝えたいことではなく、伝わりやすいこと、
いやもっと軽く、「受けそうなこと」で、
「売れること」を目指す本末転倒な音楽が、ヒットチャートには氾濫している。

…という言葉を優作さんに投げかけるとたぶん彼は笑って
「俺、別に伝えたいとか思ってませんよ」と言いそうな気がする。
そうなんだ。優作さんは、もともと大義名分とか必要とせず、
今の自分にとって、正直な歌を作り、嘘つかずに歌える歌を歌っているのだと思う。

そんなにたくさんの人に受け入れられる歌ではないかもしれないけど、
刺さる人には深く突き刺さる音楽であることは間違いないと思った。
だからいろんな人に紹介したくてたまらなくなった。

優作さんのよさは歌詞だけでは不十分だ。
もちろん歌詞も素晴らしいのだが、
優作さんはミュージシャンだから、音という塊になって、初めて揺さぶられる。
それを体験するにはライブが一番いいと思う。
だからいろんな人をライブに誘った。
「本当にいいと思うものを、 きっといいと思ってくれる人たちに教える」
本業の広告以上に、広告の本質みたいなことをやってるような気分になった。
その気分は今も続いている。
きっとまだまだ優作さんを好きになる人はいると思う。
その人たちに早く、良元優作という存在に気づいて欲しいと思う。
心からそう思う。

===========================

新春しゃぼん玉エレジー「常さんと優作くん」は
1月14日(火)大阪西天満モエラドで。
良元優作さんと鈴木常吉さんが出演します。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA