映画「ホドロフスキーのDUNE」。

ずっと観たかった「ホドロフスキーのDUNE」を、やっと観た。
いやああ、やっぱりこの人凄いなあ!!

「エル・トポ」や最近なら「リアリティーのダンス」で有名な映画監督の、
未完に終わったSF映画のドキュメンタリー。
この人は映画監督というより、基本詩人なんやろなあ。
ワシ、SFに限らず、ファンタジーはちょっと苦手なんやけど、
この「DUNE」なら、絶対ゾクゾクしながら観てたと思う。
ギーガーを映画の世界に引き込んだのも、この人。
この映画、音楽は、ピンクフロイドやマグマが作る予定で、
出演OKしてたのは、ミック・ジャガーにオーソン・ウェルズに、ダリ様まで!!!

この映画が完成してたら、SF映画は大きく変わってたか、
「もうこれ以上は無理!」と終わってたかもしれん。
けど、完成しなかった。
しかし、売り込み用の膨大なコンテやセットイメージ、
衣装イメージをまとめた本が残った。
そこから、いろんな人が、いろんな影響や刺激を受けて、
新たなイメージを膨らませて、傑作が生まれた。(予告編参照)

なんとなく、古事記で言えば「オオゲツヒメ」の遺体から
稲や麦や大豆が生まれたというような、
世界各地に伝わる「死体化生神話」 のような話だ。
確かに、この映画は完成してないけど、
息絶えたその残骸から、多くの種を、この世に残したのだ。

そして、このドキュメンタリーに出てくるホドロフスキーの表情の豊かなこと!
DUNEの企画段階の話をするときは、本当に活き活きと、
挫折のことを語るときは、昨日のことのように口惜しそうに。
けど、あのときから今まで、考え方はずっとぶれがなく、
この人の中には、ぶっとく真っ直ぐな幹がある。
ほんまもんの天才やな!
アーティストって言葉は何やらこっぱ恥ずかしくて、使いたくないのだが、
この人になら、てらいなく使える気がする。

御歳、89歳、けど、まだまだこの人から凄いもんが出てくる気がする。

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