梅津和時×多田葉子＋かんのとしこ＠ムジカジャポニカ。

梅津さんと遊ぼう、二日目、
ゲストはかんのとしこさん、こと、かんちゃん。
この組み合わせは、ワシは初めてやなあ。

ライブ前、ステージにずらりと並んだ管楽器観て、ますます期待が高まる。
どんな組み合わせになるんやろう。

まずは多田葉子さんと梅津和時さんと二人で、フリージャズから。
かっけー！梅津さん、昨日は赤のメガネだったが、今日は緑。
おしゃれやなあ。
多田さんと梅津さん、口々に別々の話してるみたいやのに、
音に集中して聴くと、お互いの音に反応してるのがようわかる。
で、結果的にひとつの音楽になってる。面白い。

そしてかんちゃん登場！3人でやるの、やっぱ初めてらしい。
貴重な瞬間に立ち合えた！
かんちゃんのアコーディオンが通続音のようにゆったりと空気をかきまわし、
その上でゆりかごに揺れるように二人の管楽器が歌っている。
梅津さんが吹いてるのはバスクラリネットかな？
甘く柔らかな管楽器の音がふたつ、
揺れている。気持ちええ。

かんちゃんの表情がいつになくマジっぽい気がする（笑）
初顔合わせとなると、そら緊張するし、
相手は、大ベテランのお二人やもんなあ。
梅津さんのMC、
「昨日のたこさんとの演奏が月の表面なら、今日のは月の裏面です」（笑）
ほんまに昨日と同じ二人とは思えん演奏。
月の両面観れて良かった！

次は3人立っての演奏。
クレズマーかな？なんとなく市場の喧騒や土埃を感じるリズミカルな音楽。
ちょっと、ちんどんっぽい趣もあって、楽しいなあ。
さすがかんちゃん、完全に曲の世界に馴染む演奏しながら、
ときどき不協和音入れたりして、味付けもする。

梅津さんはクラリネットの先っちょだけで、声に変化付けて何か叫んでる。
多田さんは？あれ？マウスピースなしで演奏してる。
こんな演奏法、今朝の番組「題名のない音楽会」の
レア奏法特集でもやってなかったぞ！

そんな大道芸みたいな演奏に、かんちゃんのリズムが入って来て、
本来の曲に戻る。ええコンビネーションやなあ。

おお今度は多田葉子さんがボーカルの曲、「八月の日記帳」。
プチだおんでやってる曲らしい。
かわいらしい曲、かわいらしいボーカル。
CD売ってるらしいんで、後で買おう！（買いました）
伸びやかな梅津さんのクラリネットが気持ちいい。

続いては梅津さんのボーカルで「東北」。
やった！実は今回一番聴きたかった曲かもしれない。
震災のことをイメージさせるこの歌、梅津さんの真っ直ぐな声が突き刺さる。

まだ何も終わってない。
時間が解決する問題じゃないのに、時間で解決しようとしてる人がいる。
日本人の忘れっぽさに期待して。
水に流すという習性に期待して。
水に流せる問題じゃない、ということを何度も何度も思い起こすために
この歌を、聴かなければいけない気がした。

おお！二部はかんちゃんの「ばらとミツバチ」から！
この3人で、この曲聴けたらなあ、思ってたんで、めっちゃ嬉しい！！
かんちゃんがMCでゆーたように、
梅津さんのクラリネットから出てくるメロディが優しくて、
優しいのに何か憂いみたいなものも含んでて、
切なくてたまらん気持ちになる。
3人でこの広がり、風に流れて、遥か彼方の空に溶けていくよう。
素晴らしい。
終わったときのかんちゃんの嬉しそうな顔！
そら嬉しいやろなあ。良かったなあ、かんちゃん。

次の「タイスキ」って曲は、その名の通り、
いろんな具が混ざるように、様々なモチーフが次々に出てきて、
そのモチーフが絡んだりして、どんどん味が重なって行く感じ。
だけど曲の輪郭は、崩れず、次第に味が濃厚になっていく気がした。
曲調も賑やかで楽しかった〜。

おお！次は梅津さんのボーカルで清志郎さんの「多摩蘭坂」。
そらたまるか！©坂本龍馬。

ワルツの曲は、なんかゆっくりページをめくるようなイメージ、
いや、風がゆっくりページをめくって行くのかな。
まどろむようなゆったり感が気持ちいい。　

最後の曲はアフリカの「マライカ」。
スワヒリ語の歌詞は多田さんの耳コピらしい。
ボーカルも多田さん。
この曲、ナジャさんや永山愛樹さんが歌ってて、
ええ曲やなあ、思ってたんやけど、
「マライカ」って曲やったんや。
この3人の演奏はナジャさんとも永山愛樹さんとも
別の曲に聴こえるほど違ってた。
ゆったりふくよかな演奏でした。
やっぱりええ曲、ワシゃ、三者三様に好きやなあ。