こどもの本の森 中之島。

こどもの本の森 中之島」に行ってきた。

ワシんちからチャリで10分かかるか、かからんか、
昨年7月に開館してたんだが、この状況なので、
しばらく予約もすぐいっぱいになって取れず、3度目の緊急事態宣言からは休館してたようで、
本日、やっと開館。
緊急事態宣言中に予約したので、宣言が延びると、
休館も延長になるところだったろうから、
ギリギリセーフでございました。

感染対策として予約制で、一日を数回に分けて一回20名程度、
1時間半の短い閲覧時間だが、
様子見がてらなので、良しとしよう。
土日は、子どもと一緒じゃないと入館できないのだが、
平日は、おっさん一人でも予約できます。

設計は、安藤忠雄さん。
ワシは、安藤さんの建築、ちょっと苦手だし、
この図書館を作るときのひと悶着も気にはなってたので、
どこかケチつけるとこあったら、つけまくろうと
虎視眈々、狙いながら見たのだけど、
この施設は、文句付けるところない、
考えられた施設やなあ、と思ってしまった。
口惜しいけど。

入るといきなり、名誉館長である山中伸弥先生がこどもの頃に読んでた本が、
著書とともに並んでいる。
これからこのコーナーに登場予定の人たちのラインナップも面白そうだ。

絵本専門図書館かな、となんとなく思ってしまっていたのだけど、
絵本だけでなく、普通の本や写真集、育児書や漫画など、
子どもに関連するものが、いろいろ揃っている。
本の区分けの仕方も、子ども目線で、
興味の有りどころ、必要なところを考えて、
設定してあるように感じた。
子どもどころか、大人にも届かないような高い本棚だが、
子どもの届かないところにある本は、固定されていて、
表紙見て、その本に興味持ったら、
本棚の一番下の段に、同じ本が置いてある仕組みになってる。
よう考えてあるなあ。

で、ワシが読んだ一冊目は、しりあがり寿先生の絵本。
おもろかった。子どもも面白がりそうな本。
しりあがり先生、こんな絵本も作ってるんやなあ。
せやけど、こんな本まで置いてあるとは!
他に並ぶ本見ても、本を選ぶ人も、
ちゃんと子ども目線に立ってやってる気がした。

11番のコーナー「生きること/死ぬこと」。
こんなコーナーまであるんや。
自分が初めて「死」を意識した日のことを思い出した。
小学校入る前だったと思う。
おかんに「ずっと寝てるみたいなもんでしょ?」と聞くと
「ちょっと違う」言われたような。
子どもでも、やっぱりそんなことを考えるもんだ。
こういうコーナーもあることは、ええことやと思う。

1階だったかな、端っこにコンクリートに囲まれた丸い部屋があった。
(安藤さんらしいなあ)
壁に蔵書の中の一節が映し出される。
口惜しいけど、このスペース、好きだ。
自分で本を読むと、自分のペースで読んでしまうが、
自由にならないペースで映し出されると、
否応なしに、その言葉と向き合ってしまう。
こんなに言葉と自分しかないスペースに自分を置いたことって、
いつ以来だろう。
もっとここにいてたい気分だったけど、
他の人が入りたそうにしてたので、
引き上げることにした。

けっこう採光にも配慮がしてある。
そのせいか、兵庫県立美術館などの安藤作品に感じる閉塞感はあまり感じない。
閉所恐怖症としては助かる。
今日のような天気のいい日に、窓側のカウンターで本を読むのは気持ちのいい時間だ。

きれいなものは芸術関連の本が集まってた。
やはり、ここに足が止まってしまうなあ。

音楽コーナーにあった、ボブ・ディランの絵本をぼんやり眺めるようにして読む。
ボブ・ディラン先生に「ひとりをたのしめ」と言われた。
御意。
他にも「さすがディラン先生」と思える大切なことを教わる。
音楽で聴くのと、また違う感じで入ってくるもんやなあ。

建築コーナー、ガウディやコルビュジェが本棚ワンコーナーずつなのに、
安藤忠雄さんのコーナーは、一段まるごと、4倍のスペースを割いてるのは、ご愛嬌か。
安藤さんの自己主張なんか、図書館の忖度なんかは、わからない。
このコーナーでは「世界の不思議な家 たのしい家」という写真集がおもろかった。

自分の感情と向き合うコーナーや、悩みと向き合うコーナーがあるのも、
ええなあ、と思った。
おかあさんのコーナーにペコロス岡野さんの本もあった。

食べ物のコーナーだったかな?
おにぎりの本もあったので、読ませて頂く。

大阪市立だけあって、こんなコーナーも。

ワシらの回の閉館時間が近づいたので、入口付近まで戻ると、
山下洋輔さん文、長新太郎さん絵の本を見つけた。
これは読んでおかんと。
てことで、ギリギリの時間まで楽しませて頂いた。

帰り道、川越しに全景を望む。
一番左にあるのが、文章映写してた丸い部屋やな。
けど、う〜〜ん、やはりこの外観、
あまり好きになれないなあ。
右に見えてる東洋陶磁美術館の壁のほうがだいぶ好きだ。
けど、中は気に入ったので、
また行ってみたい。
今度はもっとゆっくりしたいなあ。
この施設、厳密に言えば、図書館ではない。
本の貸し出しはやってないのだ。
ただ、その日中なら、建物から出て、
中之島公園のどこで読んでもええらしい。
1時間半やと、その余裕もないよな〜。
一日、ここにいてられるような日が、早く来ますように。

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