水間な一日。
先日NHKの関西ローカルの番組で水間鉄道や水間観音をやってて思った。
「ワシ、一両編成や二両編成のちっちゃい電車好きやし、
寺とか塔も好きやのに、水間鉄道乗って、水間寺行ったことないなあ」。
思ったら、すぐできるのがフリーの良さ。
仕事もないし、天気もいいし、出かけるか。
南海貝塚駅から水間鉄道の線路が見える。
横にある看板も気になる。
貝塚の隣は「蛸地蔵」駅。
この辺りは、タコと縁の深いお土地柄なのか。
いよいよ人生初、水間鉄道。
と言っても5.5キロのミニ路線ではある。
その番組では、水間鉄道の車両は、元東急の車両、ゆーてたけど、
これもそうなんやろうか。
鉄道まあまあ好きやけど、そのあたりは全然詳しくない。
「てっちゃん」ならぬ「こてっちゃん」と言われる所以である。
難読駅「近義の里」。
ググると、新羅系渡来人の近義氏がこの辺りを支配してたかららしい。
隣の「石才(いしざい)」も、珍しい地名だが、由来は分からず。
写真撮るタイミングを逸してしまったが、
両側に民家が迫る単線路線は楽しい。
叡電や江ノ電、思い出すなあ。
終着は水間観音駅。
元々水間観音にお参りするためにできた鉄道らしい。
こんな小さな鉄道が、地元の人に愛されて、
元気で運行してることが、なんか嬉しい。
水間観音駅には、無数の苔玉がぶら下がっていた。
水間寺にお参りすれば、その理由がわかるのか、と思ってたが、
結局わからず。
新しい道がまっすぐ寺に繋がってるらしいが、
敢えて旧道っぽいところを歩く。
古い家並み、日帰りやけど、旅に出た気分に浸れる。
正解やな。
家並みの向こうに塔の相輪が見えてきて、
だんだん大きくなる。
思った以上に立派なお寺なんやな。
到着、お参りを済ませて、境内を歩き回る。
水間という地名の由来は、この辺りにあるらしいのだが、
その理由はすぐにわかった。
このお寺のあるのは、谷川の合流地点。
二つの川が合流する三角部分に建っているのだ。
その一方の川にある滝が、ここに寺のある理由のようだ。
奈良時代、行基さんが聖武天皇の病気平癒を願い、
白鳥に導かれ、観音菩薩を求めて、この地に至り、
滝に向かうと竜神が現れ、聖観音像を授けられた、という寺伝がるそうだ。
その滝を撮ると、肉眼では見えなかったのに写真には光が写っていた。
後光みたいで、流石のワシも厳かな気分に包まれた。
なんかええことあるかもな。
境内に戻り、もうひとつの川を渡り、駅を目指す。
ちなみにこの三重塔は大阪府下、現存する唯一の三重塔らしい。
行きには取り損ねた難読駅「清児」。
先ほどの話では端折ってたのだが、
行基さんは白鳥を追って、この近くまで来たが、
この辺りで白鳥を見失ってしまった。
そこに十六童子が現れ、道案内を引き継いだ。
その清らかな童子に因んで、この地名が生まれたらしい。
貝塚駅に着いたが、まだ時間はある。
駅の近くに古くからの町並みが残っているらしいので、歩いてみよう。
ここは、貝塚御坊願泉寺の門前町として発展したらしいが、
昨今の古い町並みに、必ずあるような古民家カフェとかは全くなくて、
ただ古い町並みが続いてた。
これはこれで、潔い気がして気に入る。
駅前の商店街も、鄙びてて、ええ感じ。
なぜか貝塚では鶏肉屋を何軒か見たが、牛豚も売ってる肉屋は見かけなかった。
そういうお土地柄なのだろうか。
日帰り、半日だったが、ちょっと楽しい一人旅でした。