日本の在留外国人を包括する映画「ワタシタチハニンゲンダ!」。

在日朝鮮人、技能実習生、難民、
それぞれのドキュメンタリーは映画で、番組で観てきたけど、
日本で生活する(生活しようとする)外国人の苦難を、
歴史も含めて、包括的に扱ったドキュメンタリーは、
初めて観た。
映画「ワタシタチハニンゲンダ!」。

あまりちゃんと調べず、予告編の入管の酷さのイメージが強かったので、
韓国併合から始まるオープニングであれ?っと思ったけど、
観ていくと、日本に巣食う外国人差別の感情を、そのルーツから探っていく、
という構成なので、そういう展開になっていたのだ、と理解できた。

なるほど、、あの目を覆いたくなるような入管の外国人への仕打ちは、
在日朝鮮人への扱いと根っこでは繋がっているのか。

その昔から、在日の人たちは、納税などの義務は課されるが、
選挙権などの権利は認められない、という状況を押し付けられていた。
基本的には、その構造が、技能実習生や難民にも引き継がれている。

少子化で労働力が不足しがちな日本にとって、
絶必な外国人労働力を獲得するための制度が技能実習生などの
一連の制度だと思うのだが、
その人たちに国民と同じ権利を認めはしない。
言い換えると、日本で住むこと、働くことは認めるのに、
基本的人権は認めない。

この人権的に矛盾した構造が、人々にも伝播して、
ヘイトの温床になってることは、間違いない気がした。
構造的にヘイトを発生させる装置、と言えるのかもしれない。
少なくとも、技能実習生への雇用主の人を人とも思わない扱いの
原因の一端は、ここにあるのだろう。
(もちろん、技能実習生の身になって、彼らを支える
良心的な雇用主も居てるし、映画にも登場する。)

それはもちろん、難民の扱いにも繋がってて、
命からがら母国から逃げてきた人に
入管という公務員が「嫌なら帰れ」と平気で言ってしまう。
帰れば、命が危険なことは、安倍元総理も認識してたではないか。

難民及び移民に関する国連サミット」全体会合における安倍総理大臣スピーチ

しかし、なぜ難民に仕事をさせてあげないのだろう。
仕事できないまま、日本にいても、生活に苦しむのは自明だし、
日本の労働力不足を考えば、働いてもらうことは、
一挙両得になると思うのだが。


帰化の問題は、また別にするにしろ、
とにかく、日本に住む人に、同等の権利を与えることは、
これだけ行き来が頻繁になった世界の状況を見ても、
労働力不足という日本の状況を見ても、
もはや、必然のような気がするのだが。

「嫌なら帰れ」という入管の職員の言葉に、
「国が平和なら、一日たりともこの国にはいたくない」
(ディテールは違ってると思うけど、大意はこんなこと)という
難民の言葉が突き刺さった。

母国が一番いいのは、当然だろうが、
日本は、一日でもいたくない国になってしまっているのだ。

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