美し過ぎる映像で描かれる激しい人生。映画「魂のまなざし」・
ヘレン・シャルフベックというフィンランドの女性画家の人生を描いた映画
「魂のまなざし」を観てきた。
19世紀〜20世紀の全然知らない画家だったのだけど、
予告編で観た映像と音楽の美しさで興味を持ち、
作品を観ると、その頃の作品とは思えない今っぽさがあった。


映画ポスターと、そのモチーフになったのであろう自画像を並べれば、
その今っぽさがお分かり頂けると思う。
映画は、彼女の人生のうち、1915年から1923年にかけてを描いてるらしい。
男性優位の社会の中、葛藤もあったのだろう、
芸術家らしい、傷つきやすく、繊細な、だけど譲れないもののある精神が覗く。
そして、静かに見えるけど、内面は煮えたっているに違いない、激しい衝動。
時に、その衝動は噴き出し、母親や好意を寄せる男性、友人など、
周りの人を巻き込む。
絶対、友達にはしたないタイプやなあ。
だけど、それを描く映像は、素晴らしく美しい。
光の差し込むアトリエに一人でいるシーンなど、
フェルメールの絵画か?と目を擦って確かめたくなるほど、
計算され尽くした美しさがあった。
主な舞台はフィンランドの農村なのかな。
その屋外のシーンでも、頭に焼き付く美しい映像がいくつもあった。
音楽も含め、映画の美しさは、そのまま彼女の作品の美しさに繋がってる気がした。
彼女のことを、本当に知り尽くすまで調べ抜き、
彼女と、彼女の作品を愛したスタッフが、
選んだ彼女の人生のうち、重要な転機になった八年間を、
愛を込めて描いたのだろうな。
そんなことが、しっかり伝わってくる、
内容を伴った美しい映画だった。
ヘレン・シャルフベックの展覧会、やってくれないかなあ。
現物の作品、観に行きたいなあ。