ワシにとっての「あの夏の日」を思い出した。映画「サバカン」。
ワシはどうも、少年の友情モノに弱いのであろう。
予告編の「俺たち、友だちばい」「知っとる」
これだけで映画「サバカン」を観に行くことに決めていた。
そして、観ながら何度もウルウルした。
小学生男子ならではの冒険譚、
チラッと覗くエロい感情も、くすぐって来るなあ。
とにかく、友情を育む二人の少年がいい。
それぞれのひとつひとつの感情が手に取るように伝わって来る。
今も、思い出して、書きたくなってるのだが、
ネタバレになっちゃうので、黙っておこう。
かわいそうなところもあるけど、
泣いたのは、そういうところではなく、
切なすぎて、泣けてしまったのだ。
なので、エンドロール、泣きながら観たけど、
観終わったあとの爽快感ったら、なかった。
大人になった男性が、少年時代を振り返る構成も上手いなあ。
大人になってからの一つ一つの行動や言動の根っこを
少年時代に見つけるのも楽しかった。
ほんま、いろんな楽しみ方のできる映画なんやろな。
二回目観たら、きっと一回目とは違う面白さ、見つかる気がする。
こう見えてもワシも少年だったことがある(そらそうか)。
4年生か5年生の夏休みだったかな。
友だちと、京橋駅で切符を買って、河内森駅かどこかまで、
列車で回ったことがあった。
本来なら、片町線(現学研都市線)で、一本で行けるのだけど、
「同じ路線を使わなければ、料金は同じ」と言い出す友だちがいて、
確か環状線で天王寺に出て、奈良方面〜木津経由で、
グルっと回って行ったのだった。
ほんの小さな冒険だけど、みんなワクワクして、普段おとなしいやつまで、大声で話していた。
その頃から小心者だったワシと来たら、車掌さんに怒られないか、
ずっとドキドキしてたのだけど。
きっと一人では、やる気にもならなかったんだろう。
友だちと一緒なら、なんでもできる気がした。
やり終えたあとの達成感は、忘れられない。
大人だったら、絶対ビール飲んでたやろな。
それにしても、やはりこの頃から鉄ちゃん入ってるよな、
と自覚させられる話やな。
その頃の友だちとは、もう連絡先も知らない関係になってしまったが、
あいつらも、あの日のこと、思い出すことがあるんだろうか。
観終わったあとの帰り道、頭の中には、塚本功さんの、この曲が鳴っていた。