愛国とは。映画「戦影─売国奴と呼ばれた男たちの遺言状─」。

シネ・ヌーヴォーで公開されてた「戦影─売国奴と呼ばれた男たちの遺言状─」を観に行った。
ええ映画やったんで、皆さんに観に行ってほしいんだが、
シネ・ヌーヴォーだけの単館上映で、ワシが観たのが最終回だったようです。
すんません。

チケット買ってると、後ろから「ヒネモスさんやないすか!」と声かけられた。
振り返ると、バンドネオン奏者の生島さんやった。
「生島さんも、こんな映画観るんやあ」と少し嬉しくなる。

映画は、凄かった。
壮絶だった。
陸軍中野学校出身の、バッキバキの軍国青年が、
中国で日本寄りの考えをする中国人と知り合い、
その人と国民党軍に捕縛され、九死に一生を得て捕虜生活を送るうちに、
「大東亜共栄圏」の嘘に気づき、
日本という国家や、国家という権力に疑問を抱き、
反戦へと思想を変えていく。

戦後、「なぜ生きて帰った」と問う軍部のえらいさんに
「あんたも捕虜やないか。同じやないか」と言い返す。
ひとつ目が覚めてみると、大日本帝国の戦争そのものが、
「天皇」の名前を錦の御旗に、
人命を人命とも思わない欺瞞に溢れていることに気づいたということなのか。

その後、彼の人生は、反戦と日中友好活動に捧げられる。
「信念」とはこういうことなのだろう。
観終わったとき、戦争の愚かさへの腹立たしさはもちろん感じていたのだけど、
自分の頭で考え、行動に移していく、凛とした人生に触れられて、
何か清々しい気持ちも感じていた。

「愛国」とは、国の方針に追従することなのだろうか。
政府そのものが、亡国に突き進んでるとき、
それにNOを突きつけることは、ものすごく難しくて、
自分の命も危うくすることなので、
ワシにはできそうもないが、
売国奴と呼ばれても、それを貫き通す。
それこそが「愛国」ではないか、とも思ったりした。

エンドロール観て、ビックリ!
生島さん、音楽担当してはったんや。
そう言えば、エンドロール、ええバンドネオンの演奏聴こえてたもんな。
ナレーションも、昔よう仕事してた竹房さんやったり、
いろいろ繋がりある人の名前出て来て、ビックリした。

最終公開だったからか、この後監督のご挨拶もあって、
終演後は、生島さんにご紹介いただいて、
写真も撮らせて頂いたのであった。

亡くなる前の彼の言葉、祈りにも似た言葉が、耳に残っている。
そうあってほしい。
「嘘は負けます。必ず負けます」。

このタイミングで観に行って、ほんま良かった。

Follow me!

愛国とは。映画「戦影─売国奴と呼ばれた男たちの遺言状─」。” に対して4件のコメントがあります。

  1. 橋本ヒネモス様
    こんにちは、「戦影」監督牧田です。
    先日は映画館までお運びいただきありがとうございました。
    熱い講評ありがとうございました。
    映画よりも感動的でした。
    おかげ様で11月11日~15日の日程で長田の神戸映画資料館で公開が決まりました。
    これでまた神戸方面の人に観てもらえる機会ができました。ありがとうございました。
    できればツイッターでもつぶやいていただければ幸いです。
    今後とも宜しくお願いします。
                牧田拝

    1. hashimoto より:

      こちらこそ、その節はありがとうございました。
      ブログ読んで頂いただけでも嬉しいのに、
      過大なる評価頂きまして、本当にありがとうございます!

      神戸、決まったのですね!
      多くの人に観てもらいたいので、
      SNSで拡散させていただきます!

      1. 橋本ヒネモス様
        ご返信ありがとうございます。
        ツイッターでの拡散もありがとうございました。
        力強い応援を得て、神戸上映がんばります。
        今後とも宜しくお願いします。取り急ぎお礼申し上げます。
                             牧田

        1. hashimoto より:

          こちらこそ、神戸での上映のお知らせ、ありがとうございました。
          ひとりでも、たくさんの人が、この映画を観て、
          自分の頭で考える機会を持って欲しいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA