文様の美しさで、空間と時間を超える旅に。BBBムービー「フィシスの波文」。

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不器用な自覚はある。
だけど、だからこそ、憧れるのか、
工芸など、美しいものを観るのがすきだ。
この映画は、京都の唐紙から、
日本を中心に、アイヌも含め、
文字のなかった時代から、
ミナ ペルホネンまで、
様々な文様をスタイリッシュに、
詩情たっぷりに写している。

観てるだけで、うっとりする美しい映像で、
それに見惚れてるうちに、
歴史的なことも頭に入ってくる。

ほぼ説明なしで、出演者の言葉も少ない。
音楽も、むちゃくちゃかっこいいけど、ある意味環境音楽的。
文様の規則性も、ある意味、見る呪文のような効果がある。
となるともう視覚聴覚両面で睡眠欲を刺激してくる。
実は、何度か落ちてもた。
けど、その落ちてるときすら、
気持ちよかった。

戸村浩さんの連動する造形がむちゃくちゃおもろかった。
あれ、欲しいなあ!
ずっと触っていたいわ〜〜。

アイヌは文様もトンコリの音楽も良かったなあ。
さすが、こういう素材を撮ろうとする監督さん、
ご自身のセンスもすごいんやと思う。

ちなみに「フィシス」とはギリシア語で、
「おのずから、あるがまま、自然(じねん)、そのまま」という意味らしい。
文様とは、自然のものから抽出されて美しく完成されたものなのだろう。
だから我々の目に、優しく溶け込んでいくんやないかと思う。

ラスト、京都の唐紙に戻るんやけど、
その模様を浮かび上がらせる技、
素晴らしくてため息出そうになった。
職人の技って、ほんま観てておもろい、飽きない。

ほんで文様って、やっぱりおもろいわー。
文様好きには、たまらん映画やと思います。

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