終わってなんかいない。BBBムービー「決断 運命を変えた3.11母子避難」。
自ら望んでその地域を離れた人は、
ほぼいないだろう。
なのに、その人たちは「自主避難者」と呼ばれ、
損害賠償も限定的。
行政の狡猾なやり方だと思わざるを得ない。
生きていれば、いろんなことが起こる。
人は、それぞれの人生で、それぞれに起こったことに、
向き合わなければならないのは、当たり前だけど、
ここまで理不尽な困難に、無理矢理、向き合わされる人生って、
ちょと想像がつかない。
だけど、これだけ地震の多い国に、
これだけの原子力発電所、
いつ、どこで、この理不尽が、
誰の身に降りかかるか、わからない。
この映画は、そんなそれぞれの困難に立ち向かういくつもの家族を、
丹念に追いかける。
それぞれの家族は、それぞれの事情を抱えながら、
懸命に生きてる。
共通してるのは「あの事故さえなければ」という思いかもしれない。
中でひとつ、沖縄に避難した家族がいらっしゃった。
そうそう、沖縄電力は、全国の電力会社10社の中で唯一
原子力発電所を持たない会社なのだ。
だけど、その沖縄県は、米軍の基地が集中している。
日本という国は、被爆国であるのに、
これほど放射能の危険に晒されてる国なんやなあ、
と改めて思った。
なんだか、終わったことのような感じになってしまってる復興事業。
けど、全然終わってなんかいない。
決して終わるものではないのかもしれない。
そのことを、この映画は思い出させてくれた。
それにしても、これほどの地震国で、被爆国でもあるのに、
他の国以上に、原子力発電にこだわるこの国の意図が、
本当にわからない。