ぶっ飛ぶ過ぎ!クローネンバーグJr.も、とんでもない変態天才映画監督でした。BBBムービー「インフィニティ・プール」。
同じ日に「No.10」観てしまったんやけど、
いやあ、一日にとんでもないのん、ふたつも観てしもうたなあ。
もう生の尊厳すら、性欲を満たすための
一パーツでしかないような気がしてくる。
Sでもあるし、Mでもあるし、
そんな狭い言葉では括りきれない、
底なし沼のような恐ろしくも、滑稽な人間の性欲を、
コメディでも語るように、カジュアルに語る。
どれが自分だか、誰が本物だか、
何が何だかわからなくなって、
もう何回も、脳みそが、けつまずいたような気持ちになりました。
監督のブランドン・クローネンバーグは、
かのデヴィッド・クローネンバーグの息子。
ほんま、とんだ変態天才親子映画監督が、この世にいたもんですわ。
けど、こんな物語、創れるってことは、
ブランドン・クローネンバーグさんの頭に、
少しは、こんな願望があるってことなんか?
その性描写だけでも恐ろしかったり、おもろかったりするんですが、
圧巻はエンディングあたり。
何もなかったように、日常に戻る暇な金持ちと、
そいつらにとんでもない扉を開けさせられてしまった哀れな男。
なんだか格差社会を風刺してるようにも思えてくる
ずば抜けた終わり方でした。
終わってから、「は!プールって、ポスタービジュアルとかから、
勝手に泳ぐプールやと思ってたけど、
もしかして、永遠にクローンが創れる、
自分をいくらでもプールしてある」って意味のプールなのか、
と思いました。
もう一度観たい気と、二度と観たくない気が、半々の、
ほんま何かを超えちゃってる映画でした。