3年ぶりの八重山③(11/12夜)安里勇@たかしの店。

しばらく休憩して、ホテルから徒歩3分の「たかしの店」へ。

今回、このタイミングで、石垣島に来たのは、3年行ってなくて、
行きたかったのもあるが、
この日に安里勇さんのライブがある、ということをたかしさんに聞いたから。
20年以上前に初めて聴いて、聴き惚れて、
石垣島に来るたびに、安里さんが出演されてる民謡酒場に行ってたのだが、
お店を閉められてからは、全然聴けてなかった。

教えてもらってすぐに予約したので、
今回の旅行は、コロナ関係の特典なしで来ております(笑)

着いた!
中で、普段着でリハ中。
少し早く着きすぎたが、中に入れてもらえる。
ああ、安里さんの声や!
リハやけど、もうワクワクしてる。

カウンターの一番ステージよりの席を用意していただいてた。
たかしさん、ありがとう!

着替えて、リハ。
ああ、もうすぐ。
外からも観てみたい。

この外から観えるたかしの店の風情も好きやなあ。

始まった!
まずは、安里さんのお喋りから。
「コロナになってから、ほとんど歌ってない。
なので今日は4時から練習。
だからもう声がカスカスなんです(笑)
今日は、八重山民謡だけやなく、
沖縄本島の歌も歌います。」

普久原朝喜先生の「懐かしき故郷」から。
戦後、普久原さんが大阪にいて、沖縄に帰れなかったときに作った歌。
確かに、往年より、声が掠れているけど、それさえ、
人生の年輪と枯淡の味わいを感じさせる素晴らしい声。
確かに、往年よりだいぶ痩せられたけど、それすら、
美しいと感じさせる背筋の伸びた凛としたしたお姿。

そう言えば、普久原朝喜先生の息子さんで、
やはり沖縄を代表する作曲家、普久原恒勇先生は、
今月の11月1日に亡くなられた。

「芭蕉布」作曲、普久原恒勇さん死去 89歳 「娘ジントーヨー」など500曲 沖縄の心を歌に

もしかしたら、その追悼の意味も込めて、
この曲から始められたのかもしれない。

たかしの店は、料理もひとつひとつ工夫があって美味しい。
「ゴーヤ麺のペペロンチーノ」をすかさず頼む。
前回ライブ終わってから食べようと思ってたら、
売り切れてたんで、今日は早めに注文。
う〜〜ん!美味い。
美味い料理と、島酒、そして極上の民謡。
こりゃ、たまらん時間ですわ。

曲が進むにつれ、声の圧倒的な存在感が際立って行く。
大阪から来た甲斐が、あまりあるくらい、あった!
こりゃ、もう。感動ですわ。

「アレルギー性鼻炎で77になっても鼻垂れ小僧です」(笑)
安里さんのお喋りも楽しい。
三線は、音程がすぐ緩んでくるので、
それを直す時間を退屈させないため、
ウタサーはお喋りも鍛えたという話を聴いたことがある。
そう言えば、ワシの好きなウタサーはみんな話がおもしろい。

沖縄民謡のルーツと言われる「赤犬子」の曲に、震える。
切ない。
なんやろ、自分の中にあったのに、
いつの間にかなくしてしもたものを見つけたけど、
それは2度と手に入らないものやったことに気づいた、
みたいな、胸の苦しさ。
だけど、それは不幸ではなく、
その切なさを抱えながら、幸福感に包まれている。

こんな切ない気分のタイミングで
「伊江島はんどー小(はんどーぐゎー)」やられた日にゃ!
もうたまらん。

安里さんのお喋り「昔宮古に一週間の予定で行った。
その頃、宮古から石垣の船は一週間に一便、朝5時頃出発。」
ワシも一度乗ったことのある船や。
「いつも最後の日にオトーリで乗り遅れ、
結局1ヶ月くらい滞在(笑)
雄弁と言うよりは訥々と語る感じだけど、
それがとても楽しくて、惹き込まれる。

一部終わりに今日誕生日のカズちゃんに
ハッピーバースデーの曲とケーキをプレゼント。
これは嬉しいはず!

二部は、八重山に戻って来ました。
安里さんの生まれ島、
黒島の「ツンダラ節」から。
安里さん、だいたい曲の途中や、
二曲メドレー二曲目で、ギアチェンジして、
倍速みたいな感じでやらはるんやな。
違う感じを聴けてお得感。
けど、安里勇らしさはビクともしない。
お見事。

人頭税の話をしてくれはった。
八重山の民謡が美しく、切ない背景には、
そんな過酷な物語もある。
胸がチリチリ音を立てる。
気がつくと、汗が出るくらい手を握っていた。
背中も汗ばんでいる感じ。

方言ギャグを言われたそうだけど、分からず(笑)
「株式会社の歌、島々かいしゃ」。
これは分かりました(笑)

ああ、気持ちよくて、体がポカポカして来た。
安里温泉やー!

安里さん、やっぱりカッコええわあ!
リクエストは「古見ぬ浦(くんのーら)」
観客がプロやわ!
囃子、入れる女声が、また素晴らしい。
ほんまプロ観客。

最後のカチャーシー。
たかしさんもボンゴで参加(笑)
お腹が石みたいに固まってるらしく、
アンコールなしで終了、、
かと思うと、、、「もう一曲歌うの忘れてた」と「童神」!!
人前初公開らしいっす!素晴らしいー。嬉しい〜〜〜!!

ライブ終わりに外に出ると、八重山の月が輝いていた。
美しい!
何もかもが美しい夜だった。
この月を観ながら、涙が少し出ていた。

勇気を出して、写真を一緒に撮ってもらった。
安里さんと撮っていただいたのは、三回目。
前回は、3年前のたかしの店で、
安里さんがKIKOさんのライブに、お客さんとしてきてた時。

その前は、20数年前、那覇の大城美佐子さんの店に、
安里さんが、大工さんと来てらっしゃった時。
その時の写真は、厚かましくも、福岡の転勤通知に使わせて頂きました。

皆さん、お若い!!

ほんま、感動の一夜でした。

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