漫画「美童物語」。

石垣島に行って来た余波か。
久しぶりにこの漫画が読みたくなって、本棚をあさった。

戦時下の沖縄。
離島では風葬がまだ残り、
那覇の辻には遊郭が集まり、
ジュリと呼ばれる人身売買で集まった女性たちが
独特の女性社会を築いてた時代。
方言札が残り、沖縄がヤマトとの間で、
アイデンティティとコンプレックスの狭間で苦しんだ時代。
(それはまだ終わってないのかもしれないが)
ヤマトの軍隊に召集された沖縄の青年が、
ヤマトの人以上に日本人であろうとした時代。

そんな時代の人々の生活を、
生活の中の哀しみを、庶民のレベルで
丹念に描いた名作だと思う。
マブイ(魂)が、生活の場に普通にあって、
死者との会話を超常現象とかではなく、
普通に受け入れるのが、自然に思えてくる。
哀しみを受け入れつつ生きていくために、
歌が欠かせなかったことが、心に落ちてくる。

この漫画家、比嘉 慂(すすむ)さんの他の作品も
読んでみようと思う。

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