橋本ヒネモスのBBBムービーvol.25「ロストケア」「パリタクシー」「わかりません」「RIGHTS!パンクに愛された男」。

「ロストケア」。

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彼は救ったのだろうか、殺したのだろうか。
この映画の中でも、現在の社会状況の中でも、
その答えはまだ出ていないのだと思う。

この問題には、尊厳死などの問題も絡んでいて、一概にいい、悪い、とは言えないとは思うが、
ひとつ確実に、この映画が提言してて、変えていかなければならないのは、
認知症や寝たきりの介護が家族だけに任されてて、
家族が上げる悲鳴を「自己責任」という言葉で蓋をしてしまう状況だと思う。
本当に他人事ではない。
ましてやワシのような一人暮らし。
姉や弟や、その子供たちに迷惑かけるくらいなら、、
その人たちにしか頼れないなら、、
と考えてしまっても、何ら不思議はないと思った。

日本は、老齢化社会の先進国として、世界をリードすべきなんちゃうやろか。

松山ケンイチさんは前から好きな役者さんやったが、
昔は苦手だった長澤まさみさんも素晴らしい演技してはった。
こないだのドラマ「エルピス-希望、あるいは災い-」と
この映画で、ワシの長澤まさみさん評は大きく書き換わった。

ひとつだけ腑に落ちなかったのは、あの娘の風俗落ちのシーン。
あれ、なくてええんちゃうかなあ。
「希望を失ったら風俗」、てのがすげえステレオタイプに思えた。

「パリタクシー」。

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ああ、ワシやっぱりじじばば映画、好きやわあ。
またお気に入りの老人映画ができてしまった。

基本的には、最初っから最後までパリ市内しか出てこないけど、
これは、ある意味ロードムービーやなあ。
けど、パリって、こんなに広かったっけ?
ワシが行ったのは、ほんまパリの中心街だけやったのかな。

仏頂面のタクシー運転手が、ばあさんと話すうちに、
ちょとずつちょっとずつ、表情が出てくるのが、
観てて嬉しくなってくる。

しれ〜っとすごいこというばあさんもええ。
こんなすごい人生聞かされたら、そら、
「ワシの悩み、どんだけちっぽけやねん」思うわな。
それでも幸せそうに微笑むばあさん見てたら、
そら、自分も笑顔になってまうわな。
ほんで、映画観てる方も、そら笑顔に、幸せになるわな。

最後の展開は、予想できたけど、
予想してても「ああ、ほんま予想通りで良かった!」と、
観終わって、幸せを感じる終わり方やった。
ちょっと泣きそうになるくらい。

いやあ、この二人が、ほんま愛おしくてたまらんくなりました。

「ロストケア」と「パリタクシー」、老人問題扱った映画2本続きましたが、
できれば、ワシの人生の最後は、「パリタクシー」方面であって欲しいです。

「わかりません」。

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「なんやダラダラした映画やなあ」と思いながら観てたが、
クライマックスシーンで、そのダラダラ感が、すべて必要なものやったんや、
と、理解した。
あのシーンに繋がるためのチンタラ具合やったのか。
チンタラが続くからこそ、あのシーンがすごい強烈な印象残すんやなあ。
こんな映画の作り方もあるんやなあ。

映画終了後の舞台挨拶を聞くと、この映画、世が自粛ムードで、
役者さんがほんまに仕事無くなった時に
「なら自分らで仕事作ろう」と始めたらしいことを知る。
役者という仕事自体が、これからどうなるのか、
その中で、それほど売れてない役者として生きてる自分たちが、
これからどうなるのか、
タイトルは、そういうことも含めての「わかりません」やったんやなあ。

そう思うと、あのクライマックスシーンは、ある意味、
本人役で出てる二人の役者の演技を超えたドキュメンタリー要素もあるのかもしれない。
それも計算して作ってるとなると、
これはようできた脚本やなあ、思った。

劇中劇が、たくさん出てくるのだが、
それが劇中劇なのか、この映画自体のエピソードなのか、
ちょっと観ないとわからない、という構成も、
後から考えると、おもろかった。

観終わると「お見事!」となって、
途中の「はよ終わらんかな」思ってた気持ちを反省してしまう映画でした。
もう一回、分かった上で観てみたいな。

「RIGHTS! パンクに愛された男」。

※否定的な内容を含みます。この映画やバンドの好きな方はスルーしてください。

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ワシより、ちょっと下の世代だからか、全然知らなかった、
「CRACK The MARIAN」というパンクバンドと、
「JUNIOR」というアイリッシュパンクバンドをやってる
カズキさんを主人公にしたドキュメンタリー映画。

う〜〜む、ワシ、この音楽がパンクとは最後まで思えなかったので、
思い入れができなかった。
ワシとは「パンク」そのものの捉え方が違うのかもしれない。

という感じなので、ワシには、あまり語る権利ないっす。
すんません!

生き方としては、主人公のお兄さんの方が、
パンクなんちゃうか、思いました。

九州弁が懐かしかったのと、
ところどころ入るアニメがええ感じでした。

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