ふたつのハートランド。

先日、大工哲弘さんのライブレポートを上げたのだが、音源を忘れていた。
基本的にはライブレポートは、自分の日記代わりなのだが、
公開する以上「一人でもワシのレポートを見て、
その音楽に興味を持ってくれる人がいれば」という想いも込めるようにしてて、
一時期から音源のリンクもつけるようにしてるのだが、
この日は、興奮しすぎてて忘れてた。
改めて、今、付け直したのだが、聴き直すと、素晴らしくて、
いろんなことを考えたので、改めて新しい記事としてもアップすることにした。

この「ハートランド」の元歌は、オクノ修さん。
京都三条河原町の六曜社という喫茶店のマスターをされてる人(地下の方)で、
高田渡さんとも親交深かった人。
確か数年前、高田渡さんのカバーアルバムも出しておられる。
あまりライブはやられないが、たまにライブを観ると、必ず衝撃が走る。
見た目は柔らかいフォークソングなのだが、それは回り回ってのことで、
すべてのことをくぐり抜けたのち、この形にたどり着いた、
という気がする音楽なのだ。

ある意味、パンクロックの頂点かもしれない、と個人的には思っている。
オクノさんを聴いてると、いつも使い古してるけど、
きちんと手入れされた洗い立てのシャツ、
という印象を持ってしまう。
そのオクノさんの中でも、
とびきり好きな曲が、この「ハートランド」。

コレの大工哲弘さんバージョンを初めて聴いたときは、ビックリした。
人の曲をカバーしても、大工哲弘調になっているのは、
大工さんのいつものことなのだが、
その消化の仕方が凄まじく、知ってる曲なのに、オリジナルのように聴こえたのだ。
三線の入り方、大工さんの歌い方はともかく、
女性コーラスまでも、要素は八重山なのに、なんと新しいこと。
この大工さんバージョンの前では、
俗に琉球ポップスとか言われてるものが、
いかに安易に、内地のポップ調メロディに
三線や合いの手を付け加えただけで作られてるのかが、
バレバレになってしまうだろう。

単にミックスしたり、付け加えたりするのではなく、
それぞれの古きを訪ね、本質を抜き出し、
一から、このメロディを組み立てていかないと
このオリジナル感は、出てこないと思う。
この新しさは生まれないと思う。

一時期流行してしまった故に、今は衰退してるように思える琉球ポップスに代わって、
八重山民謡、沖縄民謡を発展させていくのは、
こういう、真の意味でのチャンプルーではないか、と思う。

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