良元優作、COBY@ポーポー屋。

昨日、この季節にしては暖かい雨降りの日、
ポーポー屋のドアは中の熱気もあって、白く曇っていました。

今年初めての良元優作さん。この夜はCOBYさんとのツーマン。
今回は優作さん→COBYさん、休憩挟んで優作さん→COBYさんの順らしい。
初めてのお客さんも多い中、まずは「月と金星」から。
良元優作さんを初めて聴く人が、まずこの曲だと、
優作さんのこと、ギタリストと思うんじゃないかな、と思うくらい、
この曲は良元さんのギターの良さを感じる。
うまいんだけど、テクニックをさらけ出すんじゃない、
人柄そのままのギターやと思う。

そして「京阪電車」、ふちふなさんの「愛さずにいられない」、
穏やかで沁みてくる演奏は中耳炎の耳にも負担をかけない、
どころか、きっと薬になってるよなあ。
そして!初めて聴いたかも「上を向いて歩こう」
阪神淡路大震災から23年だったこの日に、
優作さんの声であの曲が聴けるとは!
震災のたびに歌われるこの曲だけど、誰がどういうところで歌うかで、
これほど変わる曲も珍しいだろう。
311のあと、某酒造メーカーのCMでこの曲を聴いたときのがっかり感を今でも思い出す。
がっかり、というよりおぞましさまで感じた。
あのCMでは見下ろすように被災者を見ているように思えたが、
優作さんの歌は、多くを語らずそっと傷ついた人の横に立って、
その人たちと同じ方を向いていた。
その目線は、優作さんの歌を聴いて、少しずつ上を向いて行ったように思えた。
そしてその目線は、そのまま上を見上げ、「星を見ながら」に繋がった。
そして「キムおじさん」、「まあいいやで日が暮れて」、と繋がる。
一日経って考えてみたら、
優作さんは絶対「そんなん考えてませんよ!」て言うにきまってるが、
この曲順は、本当に傷ついた誰かを見守っているような流れだなあ。
ちょっとあったかい気持になって、一部が終わる。

そしてCOBYさんが始まる。COBYさんを聴くのはたぶん二回目。
前回もここポーポー屋だったと思う。
COBYさんも熊本なんで、2年弱まえに震災を経験されている。
その感慨もあったのだろう。
今日という日に、まずは忌野清志郎さんバージョンの「イマジン」。

「文明開化」という曲はポエトリーリーディング風のボーカルが面白かった。
「I’m Here」。ときどきラップというかラガマフィンっぽいレゲエボーカルが混じるのが、
ちょっとおもろいなー。
COBYさん、おしゃべりも達者で、飽きさせない。

休憩時間には、ポーポー屋特製、沖縄そばを頂く。
麺がモチモチしててうまい!
そして水菜はシャキっとしてて、
アバラ肉は、脂っこくなくて、さっぱり。
関西人の好みにピッタリな感じの沖縄そばだった。

そして二部の優作さんが始まる。
いきなり「四ツ橋筋、地下鉄も一方通行や」と思い込んでしまった件。
本町から四ツ橋行くのに「御堂筋線出なあかん」思ってしまった自分にビックリ!って、
ほんまビックリするわ。
優作さん、こういうとこも、ただもんやないです(笑)
そして今日の天気に合わせたのか「雨降りの歌」。
これも初めて聴く。
ちょっと今まで聴いたことのない感じ。
なのに、完成度高い!これは何度も聴きたい曲になる、はず!
「石」。ソロのは、なんか久しぶりに聴く気がする。
ものすごいなんかの塊が飛んで来る。
怒りなのか、興奮なのか、激情なのか。
何ものか分からないエネルギーの塊に吹き飛ばされそうになる。
続いて「何も考えない」。
これがまた、すごいエネルギーで、ほっこりした一部とは
全然違う優作さんを、初めての人も、
ビックリしながら聴いてるんじゃないかと思う。
そのビックリをはぐらかすように次は「天ぷら」。
今日は、ポーポー屋さんの料理に
ちくわの天ぷらと、モズクの天ぷら。
もちろん緑の紙。
裕子さん、グッジョブ!

次は、また初めての人はビックリするかも。
めっちゃ気持いいボサノバギターの「春の虹」。
優作さんのギターってもちろんうまいんだけど、
なんかそれ以上に優作さんの歌と同じような
くせみたいなもんがあるなあ。
この歌を歌う人だから、このギターを弾くってのが、
すごく真っ直ぐ繋がっている。
ドラムの熊谷太ちゃんもこないだ
「優作さんの歌もギターもMCも
みんな優作さんらしくて大好きです」
って、ゆーてた。
よーわかるなあ!
「緑のタイルのいかしたテーブル」の次は、
「テネシーワルツ」!
これも初めて聴く。
あさって名古屋でやるらしく、公開練習と言いながら(笑)
優作さんがスタンダードやると、
頭の中にいろんな演奏があるだけに、
優作さんの声も演奏も唯一無二の素晴らしいもんや、
ということが、よくわかる。
スタッカート気味のギターもめっちゃ良かった。
のりをさんと共作の「できなかった」。
優作さんが歌詞、のりをさんが曲。
これ、歌詞もすごく共感するし、
メロディーも切なくて泣きそうになる。
ボトルネック出して「へいへいブルース」!
これも久しぶり。かっこええー!
最後は「水滴」。
風邪が治りきっていないワシは、ずっと我慢してたけど、
我慢しきれず咳してもた。
優作さんに弄られる。
すんません!

そしてCOBYさんの第二部。
COBYさん、ときどきJ-POP風に流れそうに
なるときもあるんだけど、
今までの分厚い人生が、
安易にそっちに流さないって感じがする。
ワシ的には流れず、こっち側を広げていってほしいなあ。
と、思ってたら、「朝日のあたる家」の
浅川マキバージョン「朝日楼」!
思いっきりこっちの世界やあ!
しかも、声に迫力あるから、ずし~~んと響く。
この歌は、いろんな経験ないと、歌えん歌やもんなあ。
次のオリジナル曲「エンディングノート」も、
浅川マキさんの「少年」を思わせるワシの好きな感じの曲。
ラストまでJ方面に行かず、
こっち側で盛り上げてくれたのが、
ワシ的には嬉しかったー!

アンコールは、二人で「悲しくてやりきれない」。
「イムジン河」を逆回転させて作ったこの曲を優作さんがやることが、
なんとなく必然のように感じた。
そして気持ちを込めたCOBYさんの歌い方、
ある意味ぶっきらぼうにも思える優作さんの歌い方、
それぞれにキャラが出てて良かった。
そして優作さん、ぶっきらぼうに聞こえるけど、
この歌い方だからこそ、
その裏にある悲しみみたいなもんが、
膨大にあることを感じてしまう。

最後は熊本のCOBYさんのアカペラ「おてもやん」で終了ー!
COBYさん、客を乗せるのうまいわ~~!

終わった頃、優作さんのお兄ちゃん、大ちゃんが来た。
大ちゃんも今年初めて会う。
大ちゃん、もういろいろおもしろすぎて、
打ち上げもゲラゲラ笑った。
ここでも、優作さんにワシの咳のことを弄られた。
「橋本さんの咳がなあ」。
早く治そうっと!!
日付が変わる頃、ふと思い出した。
ライブ中に雨が上がってしまって、
てっきりチャリで来たものと思ってたが、
今日は朝、土砂降りだったので、電車だったのだ。
しまった!最終、遅れてしまった。
仕方なく四ツ橋筋にタクシーを拾いに向かう。
大ちゃんの車でCOBYさん送って帰るらしい優作さんが
ワシと別れるとき、大きなくしゃみをふたつした。
ワシが「優作さんのくしゃみがなあ」と言うと、
すかさず「橋本さんのくしゃみがなあ」と繰り返した。

実は、この日は、初めての裁判傍聴で、
経験したことのない緊張感を味わったり、
自分にもあるかもしれない人間の怖さやらを感じて、
かなり精神的にショックを受けていたので、
優作さんを聴けて、ほんまに助かったのだった。

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