おかえり!カウリスマキ。こんなええ映画、ありがとう。BBBムービー「枯れ葉」。
おかえり!カウリスマキ。
帰ってきてくれて、ほんまに嬉しいよ。
しかも、こんなに幸福な映画で帰ってきてくれるなんて!
うまく説明できんけど、幸福感としか言いようのない、
えも言われん温かい気持ちに、全身が包まれる。
柔らかいけど、湿ってはいない人間関係。
かと言って、乾ききってもいない。
擦れあっても、ギシギシとも言わないし、ねとつきもしない。
と言いつつ、映画全体のトーンは暗いし、
登場人物は、恵まれて、幸せな生活を送ってるわけでもない。
むしろ、行き詰まって、どうしようもない毎日を、
なんとかやり過ごしてる。
だからこそ、小さくても、濁りのない幸せが、
すごく温かいものに思える。
人間の哀しさ、寂しさを、真っ直ぐに見つめ、
時にカウリスマキ特有のユーモアを交えて、きちんと描きながら、
最終的には、幸福感に持っていく。
ほんまカウリスマキならではの世界やなあ。
なんか古い名画を観てるような気分にもなるが、
ラジオから聞こえてくる、ロシアのウクライナ侵攻のニュースが、
現代の物語であることを分からせてくれる。
けど、それは、主人公たちの物語に比べると、
人間性の介在しない、愚かな行いであるかのように、遠くに響く。
こんなやり方で、カウリスマキは、
痛烈な戦争批判をしてみせるんやなあ。
すごい人や、ほんまに。
そして、カウリスマキ特有の間。
そこに、抜群の音楽が要所要所で絡んでくる。
なんのストレスもないな〜〜。
ずっと続いててもいい幸福な時間であった。
映画の一曲目に「竹田の子守唄」が流れたのにはビックリした。
しかも、めちゃくちゃええ演奏やった。
調べたら、歌ってはる篠原敏武さんはフィンランド在住の日本人で、
カウリスマキ映画では、何度か歌ってはる人らしい。
アルバムあったら、欲しいわ〜。
いやあ、ほんまに幸せな、幸せな時間でしたわ。
ありがとう!カウリスマキ。