泉邦宏@中書島 ミカ。

今朝の書き込みにも登場した中書島のミカでサックスの
泉邦宏さんのソロライブがあるってんで、
昨日のノリの勢いで行ってみた。

ちなみに「ミカ」は京阪中書島降りてすぐの
昔ながらの銭湯やおじいおばあで溢れるスナックや
立ち呑み屋が並ぶ商店街を抜けた、
なんとも素敵な場所にあるロックなバー。
前までここのカウンターに貼ってあった「話せばもめる」って
言葉もワシのお気に入りだった。

サックスのソロライブ?って思う人もいるだろうが、
泉さんのライブはむちゃくちゃ賑やか。
両鼻にそれぞれリコーダーを突っ込んでユニゾン演奏したり、
首からぶら下げたソプラノとアルト、ふたつのサックスを同時に口に銜えて
演奏したり、足首には鈴をつけて鳴らす、そして足でバスドラやドラを叩く、
鼻リコーダーのまま、口に蛇腹ホースをくわえ風みたいな音を出したり、
それをドラに、ぶつけたり…。

というと、大道芸のようなものを想像してしまうと思うが、
そんなどころではない。
音楽としてもムチャクチャ聴き応えがあるのだ。

ときにはぶっといフリージャズに聴こえたり、ノイズミュージックかと思ったり、
エミール・クストリッツァばりの
超速バルカンブラスを一人でやりのけてるようであったり、
チンドン屋というかジンタのように聴こえたり、流しが混じって来たり、
とにかく楽しいんだけど、みんな泉さんが「やりたい!」という確信のある
音楽であるところがいい。だからどんな音でも全部泉さんの音楽になってる。

休憩中もカリンバと蛇腹ホースで休憩音楽を聴かせてくれる。
古稀を迎えたおじいさんの質問に丁寧に答える。
人柄も好感が持てるなあ。

休憩後は一転してギターで弾き語り。
ギターも歌もうまいし、メロディも叙情的でいい感じ。
しかし、メロディの途中で
メロディをぶった切るギターの掻き殴りが入る。
しかもボトルネックかなんだかわからない泉さんが探して来た道具で
掻き殴ったりする。だから度々チューニングが狂う。
「この人は照れ屋なのかもしれないなあ。じゃなければ天邪鬼なのだろう」
と思った。照れるのか、きれいなメロディをそのままやるのが嫌なのか。
だけど、その裏切りの裏切りで、ブレイクの間に「禁じられた遊び」の
メロディが入ったりもする。

とうとう三線まで持ち出した。「十九の春」のイントロで
メロディはディランの「風に吹かれて」。
……なんじゃそりゃ。
最初は笑ってしまったが、いつしか惹き込まれていた。

最後は本職のサックスに戻って、なんとバッハで終わった。

結果としてはメチャクチャ、パンクな人なんだなあ、と思った。

音楽をあまり聴かない人から、音楽好きを自認する人まで、
きっと楽しめると思うので、一度是非、見に行ってみて下さい。

この日以来、泉さん、聴けてない。
久しぶりに聴きたいなあー。
(20171005記)

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