音楽アニメのワシ的最高峰。BBBムービー「音楽」。
前にも観たのだけど、大好きな映画やったし、
ええ音で観られるってことで、
「音楽」観に行った。
やっぱり最高。
ほんま気持ちいい。
ワシが音楽に求めてる原点は、ここなんやな、
と、再確認できた。
簡単に言うと、全く音楽に興味なかった不良たちが、
いきなりバンド組むって話なんだけど、
この説明で想像するかもしれない、
「少年ジャンプ的熱血青春物語」とは、まったく違う。
むしろ、真逆。
全体的に、ものすごくローテンション。
主人公は、感情があるのかどうかも、よく分からない。
他の登場人物も、風変わりな興味深い奴らではあるが、
おおむね、掴みどころがない。
奴らがやり始める音楽も、有名バンドのカバーなど、全くしない。
そこに、楽器があるから、触ってみたって感じで始まり、
「本気?」「向上心ないの?」ってくらい、
一本調子で、ある意味、音楽とは呼べないシロモンなのに、
なぜか彼らは自分の音楽に確信を持ってる。
他と比較するんではなく、「これでいい」と思ってる。
そこがいいよな!
音楽に対する初期衝動。
「ええかっこしたい」とか「モテたい」すらない。
だから、楽器経験のないメンバー、
今まで熱心に音楽を聴いたことのないメンバー、
ってのが大事なんやと思う。
けど、作者の方には、音楽への愛が溢れかえってて、
ビートルズや、ピンク・フロイド、マイク・オールドフィールド、
エマーソン・レイク&パーマー、クラッシュ、キング・クリムゾンなど、
イギリス系のミュージシャンへのオマージュが詰まってるところも、
観てるワシには、キュンとするポイントだったりする。
そして、主人公の声が坂本慎太郎さんだったりするのも嬉しいし、
役柄は言えないけど、岡村ちゃんが出演してたり、
「ほんまにこのスタッフ、音楽好きなんやな。
しかも、その好きは、ワシの好きと重なってるよな」
と思えるのが嬉しい。
そして、あのステージ!
あそこで演奏される音楽は、理屈抜きにかっこいい!
理屈抜きにワクワクドキドキする。
演奏し始めの頃の、メロディもコードもなく、
ただ単調に、刻むだけの音楽と、
本質的には、なにも変わってないのに、
ドキドキしてたまらない。
いままで、ずっとローテンションで展開してきた映画だけに、
このステージで、ほんまに血が沸騰してるんではないか、
と、思うくらい興奮した。
観るの二回目であるにも関わらず!
たぶん、本当の意味で、音楽と出会ったときの、
あの、なんとも言えない衝動が、
今では懐かしくさえ思える、あの気持ちが、
そのまま、この映画の中に息づいてるのだと思う。
この映画が、日本ならではの、漫画とアニメーションで創られているってことに、
なにか誇らしげなものを、感じたりする。
たぶん、どれだけ言葉を尽くしても、
一度、この映画を観ることには、叶わない。
これまで生きてきて、音楽を一度でも「いいなあ」と思ったことのある人は、
ぜひ観てください。
そのときの「いいな〜」が、きっと蘇ります。