人知れず表現し続ける者たちⅢ。

ETV特集「人知れず表現し続ける者たちⅢ」というドキュメンタリーを観た。
アール・ブリュット(英語ではアウトサイダーアートと呼ばれてるらしい)に関するドキュメンタリー。
正規の教育を受けてなくて、既存の潮流からは無縁の文脈で制作された
芸術のことを指す言葉らしい。

具体的には、双極性障害(いわゆる躁鬱病)や、自閉症など、
障碍者による芸術を指すことが多いんだと思う。

見応えのある番組だった。
ほぼ全ての表現が、鑑賞者の存在を意識していない。
自分のうちにあるものを吐き出すかのように、
制作に没頭している。
いわば、無欲の表現たちが、そこにあった。

昔、福岡で「 otto & orabu」と言う鹿児島の障碍者施設の人たちの
ライブを観て涙が止まらなくなったことを思い出した。
去年「地蔵とリビドー 」というドキュメンタリー映画を観て感銘を受けたが、
これも、滋賀県の障碍者施設の方のアートを取り上げた映画だった。
先月、大阪のピースクラブ でのライブでも、障碍者の音楽、
感銘受けたなあ。

評価されることを前提としない表現の力強さ、鋭さ、純粋さ。
それに比べて、自分の書く文章のなんとよこしまなことだろう。

元々、絵とか、音楽、踊りは、人間の根本の欲求から生まれてくるもので、
言葉は、それより歴史が短くコミュニケーションを前提としたものだからかな?
と思って観てたのだが、
最後の方に(録画を観たら冒頭にも出て来てたのだけど)、
筋ジストロフィーの方の地の底から湧き出てくるような言葉があった。
「言葉でも、こういうことできるんや。ワシは何を言い訳考えてたのか」
という反省の気持ちに包まれた。

功名心や承認欲求、煩悩からは、なかなか自由になれないけど、
その根本に、誰に顧みられることもなく「表現したい」という
純粋な欲求のあるかないか問いかけることを
常に心がけなくては、と思った。

この番組、もうひとつのポイントは、
音楽を関島岳郎さんが担当してるということだ。
しかも演奏は、関島さん始め、中尾勘二さん、橋本剛秀さんなど、
ワシの好きなミュージシャンを起用して、
どこにも存在してないかのような、けど、どこか懐かしいような、
映像にハマりつつ、邪魔にならず、
強さを増幅させる不思議な音楽を聴かせてくれる。
ご覧になる方は、そこにも意識を傾けて欲しい。

再放送は、2月6日の午前0時から(2月5日の水曜深夜)、Eテレで。

ちなみに、otto&orabの演奏は、こちら。


地蔵とリビドー のトレーラーは、こちら。

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