嘉手苅林次「告別式Ⅱ」。

嘉手苅林昌さんの息子さん、林次さん。
林昌さん譲りのしゃがれ声だが、
林昌さんとはまた違う味わいがあって、
現役の沖縄の男性ウタサーでは、一番好きな人だ。

その林次さんが、山之口貘作詞、高田渡作曲の「告別式Ⅱ」を歌っている。
沖縄・内地が入り組んだ奇妙な作品だけど、
唄も三線もフィドルも、林次さんがやってて、
すごい引き込まれる仕上がりだ。

しかし、林次さんが、この歌やると、
あの世で、ごちそうがない、とむくれている親父が、
どうしても、林昌さんに思えてしまい、微笑ましくなるのだ。

コザの「花咲き村」をやめてしまった林次さん。
今は、どこで何してるのか、情報がまだつかめていない。
ぜひ、もう一度、この声を聴きたい。

music & lirycs: Wataru Takada 作詞 / 作曲:高田 渡(原詩:山之口 貘)
(from the album “貘 baku~詩人・山之口貘をうたう” 1998)

お金ばかりを借りて 歩き廻ってるうちに
ぼくはある日 死んでしまったのだ
奴もとうとう 死んでしまったのかと
みなはそう言いながら 煙を立てに来て

こうしてあの世へ 来てみると
そこにはぼくの 親父がいて
そこにはぼくの 親父がいて
むくれた顔して 待っているのだ

なにをそんなに むっとしてるのだと聞くと
お盆になっても 家からの
お盆を過ぎても 家からの
ごちそうがなかったと すねているのだ

ぼくは親父の 頭をなでてやったのだが
仏になったものまでも お金のかかることを
欲しがるのかとおもうと 地球の上で生きるのと
同じみたいで あの世もこの世も ないみたいなのだ

vocal, san-shin & fiddle:Rinji Kadekaru
唄三線、ヴァイオリン:嘉手苅 林次

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