朝三暮四がずっと引っかかってました。

このブログでは、あまり政治的なことを書かないようにしてたのだが、
どうしても、書かずにはおれない衝動にかられたので、
自分の禁を破って、ひとつだけ書かせて頂きます。
よろしくお願いします。

今の日本を見てて、しばらく前から、ずっと頭に浮かんでくる言葉があった。
「朝三暮四」。
中学か高校の時、習った言葉だ。
中国の故事に出てくる言葉で、目先の利益に捕われて、本質を見失うことを意味する。
なんとなく、頭によく浮かんでたのだが、それを今の状況と絡めて、
うまく理解することができなかった。

今朝、豊中出身の東京在住、福岡にルーツを持つ尊敬する、
ワシが会社員時代いた業界の知人から、
このコラムを教えてもらった。

「無策な安倍政権」をいまだに支持し続ける人がいる理由――内田樹の緊急提言

そこには、正にこの言葉が出てきて、今の政権、その政権の施策、
その政権を支持する人々のことが解説されていた。
すべてが、ストンストンと、お腹に落ちていった。

時間意識が変わって、今という時しか見られなくなった日本人。
だけど、それだと、日本人だけでなく、世界中の人がそうではないだろうか。
しかし、そこには日本人特有の意識がある。
最悪の事態を想定して被害を最小化する対策を取る、
当たり前のことなのに、それを日本人は「敗北主義」と捉えてしまう傾向がある。
これは、第二次世界大戦の時から変わらないのかもしれない。
最悪のことを考えて発言すると、それが実現してしまう。
その最悪のことを前提条件として認めてしまう。
それを恐れる日本特有の言霊思想なのかもしれない。

そして、もうひとつ、日本経済が好調な時は許された
「身の丈知らず」な振る舞いが、日本経済が落ち目になり、
パイの取り合いになってる現在は、
「身の程知らず」という言葉が復活してきて、
自分より上位の人を批判してはならない、という意識が蔓延している。
言わば忌み嫌うべき「お上意識」の復活である。

これが、行き当たりばったり、その場しのぎの大局を見ない政策を続けていて、
「他の国だと、革命が起きるレベル」と言われても、
世の中が動かない理由なのかもしれない。

その上、今度の騒ぎでは、明らかに進んでいて、世界が見習っている
中国の都市封鎖策や、韓国の完全隔離・検査体制を見習うことができない。
それは、嫌っていた中韓の風下に立つことになるからだ。
そこには、「中韓は日本より下」というお上意識が、またしても影響してるのかもしれない。

今や、韓国や中国、台湾やシンガポールに行っても、
この国が日本より遅れてる国だとは、誰も思わないと思う。
その地域に住んでる人も、その認識では基本的に動いてないとも思う。
そのことをちゃんと認識することが、日本がこれからのスタートラインに
立つには、必要なことではないだろうか。

このコラムは、最後「この船の船底のどこかに大穴が空いている。
それを見つけて、穴を塞ぐのが最優先です。
そのための時間はもうあまり残されていません。」で閉められていているが、
具体的な方策については、書かれていない。
これからのワシらが考えていくべきことなのだろう。
考えた上で、行動していかなくちゃいけないことなのだろう。

そのための糸口みたいなもの、これもうまくまとまってないのだが、
感じているものをメモとして書いておく。

ひとつは、この騒ぎに関して。
中国、韓国以上に、今度の騒ぎで成果を上げているのが台湾だ。
台湾にも、先の大戦で日本に複雑な感情を抱いてる人たちもいるが、
概ねは日本にシンパシーを寄せていて、日本のその手の人たちも
台湾には、それほどの嫌悪感も持っていないように思う。
「お上意識」が邪魔にはなるだろうが、ここは、ひとつそれを忘れて、
台湾に教えを乞おう。
内田さんがいうように今回の騒ぎは、カンニングありのセンター試験なのだ。
どんどん優等生からカンニングしよう。
どうしてもお上意識が拭えないなら、カンニングしまくって、危機を乗り越えてから、
プライド回復のための方法を考えればいい。
古くは、伊万里焼、少し前なら電化製品や車。
元々の日本は、古来は中国・半島から、近代以降は欧米からカンニングして、
それにどこの国にも参考にされるような応用を加え、
産業として発展させた国だ。
その貪欲なカンニング欲、応用技術を、今こそ、発揮するべきだと思う。

そして、考え方の部分では、これもまた会社員時代の競合大会社にいた優秀クリエイターが
司馬遼太郎さんの言葉を教えてくれた。
要約すると「自分に厳しく、相手にはやさしく、いたわりという感情をもつことで、
自己は確立される。それは勝手にできるものではなく、訓練が必要なものだ。」
ということだと思う。
ワシも、この訓練のまだまだ途中だと思う。続けていこう。
そして、こういう意識がベースにあれば、
どういう人種が、日本の舵取りにふさわしいかは、
自ずと見えてくるはずだと思うのである。

こんなこと書いてたら、ドイツのパンデミック危機管理の記事を見つけた。

新型コロナ最悪シナリオを8年前に想定したドイツの危機管理

現実的な対応とは、こういうことなのだろう。
メルケルさんの発言と言い、本当に羨ましい。

コメント欄、なかなか傾聴に値するご意見、
頂きました。
ありがとうございます。
(20240421記)

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


社会

前の記事

福岡市の文化施策。