許す勇気。BBBムービー「おまえの親になったるで」。
人間が変わるのって、やっぱりこんなに大変なことなんやなあ。
被害者家族でありながら、再犯でさらに加害者や被害者が増えることを、
少しでも、どうにかしたい、と思って、少年の面倒を見る。
けど、何度も裏切られる。
いや、裏切る、と言うより、自分でもどうしようもないものに、
突き動かされてしまうのかもしれない。
面倒を見てくれる人がいても、こんな感じなんやから、
少年院から出てきた人が、自分の努力だけで、
なんとかしていくのって、並大抵のことではないのだろう。
自分の中の問題にプラスして、世間の冷たい目も加わるのだろうから。
こういう映画観てると、ほんまに「自己責任」という言葉って、
社会でやらなければいけないことから目を背ける魔法の言葉やなあ、と思う。
ましてや、基本的人権を守るためにある行政が、
口にする言葉では、決してないな。
映画を観ていて、昔読んだ本を思い出した。
前に観た、他の映画も思い出した。
犯罪が起きてしまうと、被害者はもちろん、加害者も辛い。
そして、その家族も、それまでと生活が
ガラッと、変わってしまうこともあるのだろう。
そういう確率を少しでも減らすために、
少年院だけでなく、刑務所は、再犯を防ぐためにあるべきだと思うのだが、
日本のそういう施設は、必ずしも、そうなっていないようだ。
だけど、それは刑務所だけにまかすのではなく、
社会全体で考えていかないといけないことなのだろう。
この映画の主人公の草刈さん、
正直、「どうかな?」と思う発言もあるにはあるのだけど、
犯罪被害者家族でありながら、社会のために、
一人一人の少年のために、許す勇気を持った、
すごい人であることは、間違いないと思った。
こういう人が、一人でも増えますように!
ちょっとだけ気になったのは、
宮古島に行った少年のその後、やな。