CD「ウチナージンタOKINAWA JINTA」大工哲弘。
※Facebookのバトンで回ってきたときに書いたものを加筆修正しました。
1994年発売の歴史的名盤。
これに出会う前から沖縄民謡は好きやったけど、
このアルバムをきっかけに、さらにのめり込んで、
沖縄に出かけて行くようになり、
いつしか関西、転勤で住んだ福岡に続く、
三番目に長い時間を過ごした場所になった。
まずは、その曲目。
マクラム道路/ カチューシャの唄/ ラッパ節/ 満洲想えば/ 満洲娘/ 奄美小唄/ 籠の鳥/ 東京節/ 書生節/ 汗水節/ あきらめろ/ 安里屋ユンタ/ 沖縄を返せ/ 新港節/ さよなら港/ 川平線風景/
明治の御一新から大正デモクラシー、昭和大恐慌、満州国を経て、
アメリカ占領、「本土」復帰、
沖縄から見た日本の近現代史のような意欲的な選曲だと思う。
その中で「沖縄を返せ 沖縄へ返せ」と
歌う大工さんに衝撃を受けた。
なんとなく知識としては知っていた沖縄問題、基地問題。
まるで自分のもののように振る舞う米軍、
まるで自分のもののように勝手に決めて行くヤマトの政府。
まだ、沖縄は沖縄に返還されてないのかもしれない。
それはこのアルバム発売当時1994年も、
それからほぼ四半世紀経った今、2018年も。
そして、参加ミュージシャンがまたすごい!
大工哲弘 (唄 三絃 笛 太鼓)、
梅津和時 (sax, clarinet, etc)、大熊亘 (accordion, clarinet, etc)、
石川浩司 (percussion, 囃子 etc)、関島岳郎 (tuba, trombone)、
中尾勘二 (sax, trombone, etc)、向島ゆり子 (violin, accordion)、大工苗子 (唄 琴 囃子)、
嵩本由起子 (囃子)、長谷川八千代 (ゴロス)、高田光子 (チンドン)、
そしてプロデューサーは梅津和時さん。
名だたる名手たちに囲まれて、
ヤマトの歌も含め、
いろんな歌を歌う大工さん。
けど、素晴らしいのは、
こんなに民謡以外のミュージシャンとやっても、
こんなにヤマト歌を歌っても、
すべて、それが「大工哲弘の歌う八重山民謡」になってることだと思う。
それほど大工さんの骨格は太く、フィールドは広い。
今でも大工さんは、民謡以外のミュージシャンと一緒にやることの多い方だが、
その出発点は、もしかしたら、このアルバムかもしれない。
そして、このアルバムをきっかけに、
ワシは全国各地で大工さんを観て、大工さん本人とも何度かお話させて頂き、
大工さんのおかげで、古い友だちと再会したり、新しい友だちができ たりもした。
関島さんや中尾さん、向島さん、梅津さんとも何度かお話させて頂いたが、
それも元を辿れば、このアルバムなのかもしれない。
そして、このCDのレーベル、オフノートの神谷さんとも、
いろいろお話させて頂いた。
そして、オフノート経由で鈴木常吉さんとも知り合った。
ほんまに、いろんなワシのスタートラインになってるアルバムである。
※十数年前の年賀状でこのビジュアルを無断拝借したことは、
ここだけの話にしといてください!