カニコーセンの「播州平野に黄砂がふる」。


短いですが、冒頭の
「高砂の岬にフナムシが湧く頃、
いかなごの釘煮をタッパーにつめる。」
という歌詞も、好きです。

けど、やっぱ「播州平野に黄砂がふる」は名曲ですな~。
山下敦弘さんの映画見てるみたいに風景が浮かんでくる。

一番はずっと風景を連ねている歌詞なのに、
そこで、埃にまみれながら、生きてるけど、
うまく行かない人たちの姿も見えてきて、
最後の「どっちでもええか」で、
これを歌ってるカニコーセンさん自身の気持が
いきなり迫って来る。

だから二番は同じように風景を連ねているのだけど、
その連ねた言葉自体にもう、カニコーセンさんが
反映されている。
そして、最後の「どっちでもええか」が、
一番より、さらにやるせなく聞こえる。

何度でも聞きたくなる名曲だと思います。

AZUMIさんバージョンもまた違った良さがありますよ!

「播州平野に黄砂がふる」 カニコーセン

製鉄所の煙突は粉塵をまき散らして  
ガンメタリックな空の下、砂利運搬車ゆれている 
国道沿いの風景は中古車販売の輩が
錆びた鉄パイプ振り回し朝からヨサコイの節回し
   
播州平野に黄砂が降る
降らへんか
あ、やっぱ降るか
どっちでもええか

百均がねじ込まれたあきらめムードの空き店舗
シャッター通りのマネキンが目線を来世に向けている
国道沿いのシネコンはどでかい映画をからまわし
どてらいバーガー店の波、安直な和解で受け入れた

播州平野に黄砂が降る
降らへんか
あ、やっぱ降るか
どっちでもええか

ちなみにワシの好きな言葉は「どっちでもええか」は別として、
「ヨサコイの節回し」、「ねじ込まれた」、
「マネキンが目線を来世に向けている」です。

何もかも、やるせないし、空しい。
のに、「生きていこう」という、
気持ちは、史上最高に高まってる気もする。

ワシは、今、自分史の中、
「播州平野に黄砂が降る」に、
最接近してる気がする。
(20231116記)

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