高田漣、良元優作@雲州堂。

昨日は北浜雲州堂で、良元優作さんと高田漣さんという待望の組み合わせ。
優作さん自らが主催する熱の入れようだ。

雲州堂は、ライオン橋を渡った北側、
戦災で焼け残った蔵をそのまま使った建物で、
音が最高に良い。
ここで、こんなライブが観れるなんて、
それだけで幸せになる。

先攻は優作さん。
梅雨の中休み、まだ明るいうちの住宅街。
優作さんの日々の歌がこれほど似合う町もなかなかあるまい。
今回は主催ということもあり、
少し緊張気味に始まった。
水滴、ムーンリバー、たあちゃんと静かな曲が続く。
緊張してても、メロディーさえ追いかければ、
歌の輪郭は崩れないのだろうが、
優作さんは、そんな安易な方法は取らない。
敢えて、自分がどう歌いたいかを問いかけながら、
メロディーを外してでも、
自分を追い込んで行く。
そこにあるのは、「歌を歌う!」という強い意志だ。
輪郭が朧でも、その意志があれば、
強い歌が生まれる。
緊張感のある美しい歌、
観客は息を飲むようにして、
その歌が生まれる瞬間を見つめている。

あったまって来たら、その熱に身を任す。
もうメロディーを追う追わないは関係ない。
どちらにしろ、そこには優作さんにしか生み出すことの出来ない、
剥き出しの歌がある。
後半にかけての熱量の上がり方、
尋常じゃなかった。
やはり漣さんが見ている、
という意識が、
いつもとは違う気持ちに繋がり、
歌につながったのだと思う。
素直で、ストイックな人だと思う。
最後は最近よくやる曲で漣さんのことも
意識したのだろう、
渡さんの「へいへいブルース」で。

しばしの休憩のあと、後攻めの高田漣さん。
漣さんの弾き語りをライブで見るのは初めて、
と言うか、ボーカルを生で聴くのも、たぶん初めてだ。
今回は漣さんのお父さん、高田渡さんの曲の
オンパレードだ。
やはり少し声が渡さんに似てる。
あのなんかノンキな感じがところどころに覗いて、
嬉しくなったり、切なくなったりする。
そしてギター!
さすが高田渡さんはもちろん、細野晴臣さんやハナレグミさん、
畠山美由紀さんなど、
名うてのミュージシャンから引っ張りだこなだけはある。
リハを見てたさわさんから聞いたのだが、
ものすごく入念に音を作っていたらしい。
しかも雲州堂のミキサーさんは雲州堂を知り尽くしている
評判の方なので、完璧なまでにギターが響いている。
「ブラザー軒」でのボトルネックの演奏は、
透明度がすごくて驚くほど。
ライクーダーかと思うくらい、
スペーシーで、でっかいスケールの演奏だった。

MCでちょくちょく憂歌団や有山さんの話を挟んでくれるのも、
関西人へのリップサービスにしろ、
やはり嬉しい。

ずっと聴いてると、渡さんにはなんかアメリカを感じたのだが、
漣さんにはイギリスを感じた。
なんでやろ?歌の持ってる湿度の影響なのかな?

コーヒーブルースも聴けた。
やはり京都で学生時代を送ったものにとって、
あの歌は特別だ。
あの歌を知らなかったら、
イノダコーヒーに特別な思いを感じたかどうか、
分からない。

アンコールは、2人揃って。
優作さんがもうホントに嬉しそうな顔してる。
ホンマ素直な人や!
一曲目は「キムおじさん」。
ああ、、なんて美しいんだろう。
歌も、演奏も、思いも、
すべてが透き通っている。
二人のギターから流れる小さな音、
小さいのに、存在感はすごくある。
ワシはこういう小さい音が大好きだ。
そして二曲目は漣さんのご指定らしいのだが、
なんと「梅田から難波まで」。
観客も一緒になって。
あー気持ちええ!
漣さんの粋な計らいだ。

なんだかあったかいものに包まれた気分になれた。
今回は演奏者としてはもちろんだが、
主催者としての良元優作さんにも、
心から感謝を捧げたい。
受付のさわさんもお疲れさまでした!

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