奈良、思い出の場所での食事会。

丁度、昨年の3月15日、
奈良にお水取りに行って、
その後、「松籟 (しょうらい)〜まつのおと〜」で、お食事を頂いた。

今となって思うと、これが昨年の7月に亡くなられた福嶋さんとの
最後の食事だったのだなあ。

その日、福嶋さんと食事をともにした4人(ワシ含む)と、
その日は来られなかったけど、福嶋さんと親しかった後輩と5人で
思い出のお店に、昨日行ってきた。
折しも、お水取りやってたのだが、昨年観てきたし、
昨年以上に、ナーバスになりざるを得ない状況なので、
お水取りは割愛し、明るいうちから食事を頂くことに。

近鉄奈良駅から、お店に向かう。
ここは、昨年、福嶋さんと別れた場所。

道渡って、東向商店街に入っていく福嶋さんを見送って、
写真の右にある地下道で近鉄奈良駅に行ったのだった。
あのとき、何度か振り向きながら、横断歩道を渡った福ちゃん。
ワシは「もう会えない」なんて、夢にも思ってなかったけど、
亡くなってから聞いた話によりと、
福ちゃんは、一昨年の年末くらいに、
お医者さんから、状況の厳しさを聞いていたらしい。
そしたら、福ちゃんはあのとき、
「これが最期になるかも」と思っていたのかもしれんな。
なんか、ずるいぞ、福ちゃん。

昨年は、夜中に歩いたので、分からなかったけど、
けっこうええ感じのお店や建物のある通りやったんやな。
というか、奈良にもこんなところあったんや。
と、少し、新鮮でした。

で、奈良女子大学の建物は、
やっぱり素晴らしい。
一度、中を見学してみたいもんです。

で、松籟です。
ほんまちょっと広めの普通の民家を、
品よく、丁寧に磨き上げたしつらえ、
めっちゃ落ち着く。
ここも、前回はお水取り終わってから、
つまり暗くなってから来たので、随分雰囲気が違う。

そして、料理も、また素晴らしい。
今年は、状況が状況なので、
それぞれに食べるお弁当っぽい感じで。

やはり、話題は福ちゃんのことが中心。
ワシ以外は女性で、入って行きづらい話題も中にはあったが、
今や、基本的には利害関係ないので、
なんか何の話しても肩から力抜けてる感じで楽しい。
こんな関係になっていくもんなんやなあ。
きっと現役の同僚同士だと、こんな豊かな感じにはならんかったんやろな。
みんな、それぞれの人生を、しっかり考えながら歩いている。
そんなことが分かって、なんとなく自分も頑張れそうやな、
と思った食事会だった。
あ、けっこう「風の森」も頂いてしまいました。
久しぶりの日本酒、そっちも美味かったです。

でも、不思議なのは、奈良が地元で、
このメンバーだったら、絶対にいなきゃおかしい
福ちゃんは、ここにいないのだった。
そのことが、どうもうまく飲み込めなかったので、
「福ちゃん、おるけど、今日は、やたら無口」と思うことにした。
なんか、その方が、ワシとしては自然に思えた。

毎年、お水取りのとき、ここ集まるってのも、ええなあ。
福ちゃん、また来年集まろうね。
まあ、それまでにも、また博多やきとりとか、食べに誘うかもしれません。

とか、言いつつ、やはり、帰り道で、最後の姿を見た場所に来ると、
なにかジワ〜〜っと心を包むものがあるんでした。
でも、それ、そんな悲しいだけのもんではなかったかもしれない、
と感じられたことが、嬉しかった。

本日の出席者、
帰りの近鉄電車内にて。(撮影、中西さん)

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