大阪春のテン祭り その3「豊臣の美術」@大阪市立美術館。

二つ展覧会回って、ちょっと頭、飽和しかかってたんやけど、
やっぱ、なんやら宣言で「展覧会、行きたくても行けなくなるかも」と思い、
気持ちを奮い立たせ「豊臣の美術」展、行ってきた。
あべのハルカス美術館から大阪市立美術館は歩いて10分かかるかどうか、
じゃなかったら、くじけてたかもなあ。

桃山時代の芸術、やはり素晴らしいなあ、思う。
特に、焼き物や蒔絵などの工芸品がワシの好きな方向に舵を切ったのは、
この時代なんちゃうかな、と思った。

秀吉の派手好みと、茶の湯の侘び寂び、この両輪がなければ、
尾形光琳とかの華麗でありながら、華美過ぎることのない、
絶妙にスマートな表現は生まれてこない気がした。
東洋陶磁美術館蔵の国宝の天目茶碗が展示されてたのは、
おお!君、今ここに来てるんか!て感じ。
なんか近所馴染みの友だちが、たまたま観に行った
野球の試合かなんかに出場してたような気分かな、
あ、おこがましいこと、この上ないですが。
ちょっとおもろかったのは、ネネさんが使ってたという移動用の風呂桶。
漆に立派な金の蒔絵が施されてた。
こんなん、旅行とかの時、携帯してたんかあ。
運搬、大変やったやろうなあ。
秀吉の金地に、燕や蜻蛉を描いた陣羽織は、派手派手で、
「ああ、これが歌舞くってことかあ」と納得。

点数はさほど多くないけど、文化における豊臣の役割を感じられる、ええ展覧会でした。
平行してやってるコレクション展も良かったです。
北魏を中心とした仏像(道教の像も少し)のコレクション展は、
ちょっとガンダーラっぽかったり、
法隆寺などの飛鳥仏に面影似てたりしたのだが、
観覧する人少なくて、1500年以上昔の石仏とか20数体に、
ワシが一人で囲まれてるときもあって、
それは、何か不思議な、ちょっと怖い体験でもあった。

アンコール・ワットの拓本展は、躍動感のある、面白い拓本が、
次から次から出てきて、アスラ、スゲ!、ブラフマ、スゲ!だったんやけど、
閉館時間が近づいてて、ゆっくり観られず。
ちょっと残念。

美術館を出て、天王寺駅に戻ろうとしたが、なんだか気が重い。
目の前には、通天閣。
チャリンコ止めてる南森町は、
天王寺からなら谷町線、通天閣の恵美須町駅からなら堺筋線、
どっちでも一本で行ける。
「そうか、天王寺行くの、気が重かったんは、ワシの人混み嫌いグセか」
と納得しながら、
「天王寺ほどではないだろうけど、まあまあ人混みやろな」
と覚悟してた通天閣を通ると、
あまりにも閑散としてて、「人混みなくて良かった」という気分通り越して、
ちょっと不安になってしまうのであった。

大阪市立美術館の「豊臣の美術」。予定では5月16日まで。

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