新世界から聖徳太子。
先週土曜、新世界に用事があったので、
用事終わって、ちょいフラフラしてきた。
緊急事態宣言が明けて、
新世界にも、少し人出が戻ってきてる。
活気のある町を見るのは嬉しいのだが、
まだ安心できる状況ではないので、
ちょっと心配になり、素直に喜べないのが寂しい。
前にも行った刃物工房にお邪魔する。
前もそうやったけど、ここは、冷やかしの客でも、
すごく気持ちよく対応してくれる。
もはや、芸術品とも思えるような包丁を見るのも楽しい。
ワシのような、ええかげんな料理しかしないもんには、
もったいない立派な包丁が並ぶ。
見とれてると、お店の方が、
「これは左利き用です。」「こっちは爪切り」と説明してくれる。
前に来たときは、外国人の方で満杯やったけど、
やはり今はインバウンドがほぼゼロになってしまったらしい。
いろいろ大変やろうけど、こういう店には頑張って欲しいもんである。
そうや、ここまで来たら、大阪市立美術館はすぐそこやな。
行こうと思ってた「聖徳太子 日出づる処の天子」の展覧会やってるはずや。
天王寺動物園をまたいで行く道は、天気もいいし、
気温も10月にしては高めだけど、汗かくほどでもなく気持ちいい。
展覧会は、思った以上に充実してた。
聖徳太子って不思議な人やなあ、と改めて思う。
基本は宗教家ではなく、政治家なのに、
これほど、信仰の対象になってる人も、なかなかいないのではないだろうか。
展示を見てると、その崇敬は、どの時代にも廃れることなく続いている。
歴史好きなので、いろいろ神社仏閣にも行くが、
苔寺とか、意外なところも太子の伝説が伝わってることに驚く。
六角堂で親鸞上人の夢に出てきたのも、有名な話だ。
ちょっと面白かったのは、展示の最後の方に、
山岸凉子さんの「日出づる処の天子」の原画が展示されていたことだ。
なるほど、この展覧会の文脈で考えると、
あの漫画も、現代に続く太子信仰のひとつの形なのだな。
けっこう見ごたえのある展覧会だった。
展覧会は今月24日までです。