重森三玲庭園美術館。
秋の美術館巡り、二箇所目は、京都吉田山の麓の重森三玲庭園美術館。
東福寺の市松模様の庭、ワシの好きな庭ランキング、
常にトップ3に入る大好きな庭。
それの作者が重森三玲さんという昭和を代表する作庭家で、
ほかにも松尾大社の庭や実家の近所の以楽園の作者ということは知ってたのだが、
こんな母校の近くに住んでらして、
旧宅の庭が、公開されてるとは知らなかった。
つい最近、テレビかなんかで、その存在を知って、調べると、
予約制で公開されてたので、すぐに申し込んだのだった。
40年近くぶりに、京大正門近くのバス停で降りる。
このバス停、ワシらの時代は「東一条」ってバス停やったんやけど、
今は「京大正門前」に変わってるんやな。
吉田神社近くの教科書やらノートのコピーやら売ってて、
えらい世話になった書店は、パン屋さんに変わってた。
ちょっと早めに着き、予約の時間を待つ。
一日に二回、人数制限して、公開されてるようだ。
さすが重森三玲さんの庭。
豪快なところがありつつ、繊細で、立体的に考えられてて、飽きが来ない。
苔の使い方が、抜群に上手いよなあ。
伝統を踏まえつつ、新しくもあり、モダンでもある。
やっぱり好きやわ。
座敷に上げてもらって、庭を眺める。
美術館の方に説明をして頂く。
重森さんのご一族の方だろうか。
ぶっきらぼうだけど、丁寧で愛のある説明。
ちなみに天井の大きな照明器具は、やはりワシの大好きなイサム・ノグチの照明器具。
イサム・ノグチさんと重森さん、懇意で、
よくイサム・ノグチさんが、この家に来てたらしい。
ワシの大好きな二人が仲が良かったのは、嬉しい話やなあ。
庭園づたいに茶室の方へ。
苔の緑が鮮やか。
茶室横の別庭園。
石の起き方が東福寺の方丈庭園を思わせる。
この茶室の襖も重森さんの作品らしい。
モダンやのに、和を感じて素晴らしい。
陶製の釘隠しも、ひとつひとつ違ってて面白かった。
名残を惜しんで、もう一度パチリ。
帰り道、近衛通で、先日、「モダン建築の京都」展で、
模型を観た楽友会館の現物を観て、東大路に出る。
実は、実家近くの以楽園(通ってた小学校の隣にある)の作者が
重森三玲さんやと知ったのも、つい最近。
ワシの大好きな造園家が、たぶんワシが生まれて初めて観た日本庭園の作者で、
母校のすぐ近くに住んでたとはなあ。
小学校から大学まで、ワシの学校時代の最初と最後は、
重森さんの庭の近くだった、というのが、なんだか嬉しい。
縁を感じずにはいられない。
重森さんの庭、まだ観てないの、いろいろあるので、
ちょくちょく回ってみようと思う。