ふたつの奈良。映画「なん・なんだ」「再会の奈良」。

たまたまやけど、奈良が舞台になってる映画を続けて観た。

まずは「なん・なんだ」。
これは奈良だけでなく、京都(たぶん府立医大のあたり)と関東のどこかの町も舞台だったけど、
白毫寺とか好きな場所で撮影されてて、
「ああ!そこそこ!!ええロケーションでしょ!」って感じで、
嬉しがりながら観てました。

物語には、引き込まれました。
初老夫婦が主人公、聞いたことないけど、
ほんまにあるんちゃうかな?と思わせる物語で、
主人公含め、周りの人間もリアリティがあって、
決して明るく楽しい物語ではなくて、
結末もハッピーエンドとは言い難いんやけど、
なんか観終わった時、一種の清涼感みたいなもん、感じてました。

人間って、秘密や矛盾、抱えながら、
その中で幸せを求めて生きていくんやなあ。
理屈では割り切れないところにこそ、
人間の本質ってあるんやなあ。
当たり前のことかもしれんけど、
根っこのところでは、そんな本質を肯定してくれてる気がしました。
それが清涼感みたいなもんに繋がってるんかもしれません。

もう一本は「再会の奈良」。
かつて、育てていて、日本に帰って連絡が取れなくなった、
中国残留孤児の養女を、おばあちゃんが探しにくる物語。
実は、どっちかと言うと、こっちの方が期待が大きい映画だったのだが、う〜む。
観てる途中から嫌な予感がし始めた。
それが当たってしまった。

別に映画はハッピーエンドやないとあかんとか思ってるわけではない。
むしろ、そうでない方に好きな映画が多いくらいである。
けど「ハッピーエンドでない=ビターエンドのええ映画」ってわけやない。
なんでこの映画創ろうと思ったか、そこが伝わってこないとモヤモヤしてまう。
非常に宙ぶらりんな気持ちで観終わってしまった。

役者さんたちが、それぞれええ芝居をしてるだけに、
残念な気持ちが募った。
ワシの理解能力が足りなかっただけで、
ちゃんと観てる人には伝わったのかもしれないが。

映像は、詩的で美しく、ときにおかしく、
三人が次第に通じ合って行くような流れもええ感じなんだが、
根本にあるもんが、なんなのかが、ワシにはわからんままだったので、
「なんとなく情緒に流されて創った映画なんかなあ」という感想で終わってしまった。

ちょい役で、永瀬正敏さんが出ててええ味出してたり、
音楽が鈴木慶一さんで、ちょろっと出演もされてたり、
けっこう豪華なところも、却って「なんだかなあ」と思ったりした。
主演の國村隼さん、なぜか最近、至る所で目にするなあ。
この映画でも、抑制されたええ演技してはって、
ほんまにええ役者さんやと思った。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


映画

次の記事

映画「安魂」。