ムジカで魅惑の劇場〜ゴトウイズミ×松本英二郎

またまたせい子ちゃんの素晴らしいブッキング。
初対バンの二人ぶつけて、
こんなにも面白い世界を創ってしまう。
せい子ちゃん以外、誰がこの二人に共通の匂いを感じたり、
二人の対バンで生まれる観客の不思議な心境を想像できるだろう。
ほんま、せい子ちゃん、ありがとうやで!

ということで、昨日はムジカで、松本英二郎くんとゴトウイズミさんの対バンでした。
この二人を頭の中で並べたことがなかったので、
ほんま「どないなるんやろ」思いながらムジカに向かいました。

まずは、松本英二郎くん。
むっちゃ久しぶりやなあ。
もしかしたら、会社員時代、大阪駅前の第三ビルの
沖縄民謡酒場「琉球」に、同僚と行って、民謡ステージ観てたら、
なんか似た人がおって、休憩時間、その人が
「橋本さんですよね?」って声かけてくれて、
それが松本くんやった、あん時以来かもしれん。
あとで聞くと、この状況になってから、
ほとんどライブできてないってことなんで、
たぶん、あの時以来なんやろな。
松本くんは、ほんまおもろい人で、
ソロや、フリージャズっぽいユニットと並行して、
ざちょんだらーずって、沖縄民謡のバンドも組んでるのでした。

ソロで登場の今回は、そのイメージ、全くない、
やさぐれた大道芸のようなステージ。
松本くんにかかれば、薬缶は煙を吐き出すオバケになり、
猿のオモチャは暗闇の中で孤独を抱えながらシンバルを叩く。

ちょっと怖い顔の人形は曲名言われないと、
そうかどうかわからん「星に願いを」を電子音で奏でる。
松本くんは、ひたすらその人形の頭を撫でる。
この人形、テルミンなのだ。

ほんま、何が飛び出すかわからんおもちゃ箱のような世界。
で、その音楽、ひとつひとつがカッコええのだ。
ほんで笑ってしまうぐらいおもろくもあるのだ。
きっと「みんなのうた」とかやっても絶対、人気出るんやろうなあ。
声は、ちょっとしゃがれてて、ぶっきらぼう、
だけど「ウソだけはついてないんやろな」と思える歌。

あ、昨日やった曲、ざちょんだらーずでもやってるんやな。
最後は、ステージにひざまづいて、オルゴールを回しながら。。

凄く演劇的なステージやったなあ。
松本くんのステージは、ほんま久しぶりやけど、
毎回、何が飛び出すかわからんで、ワクワクしながら観てしまう。
また次は、何が飛び出すのか、楽しみにしておこう。

そして次は広島のヲルガン座からゴトウイズミさん。
ゴトウさんも、むちゃくちゃ久しぶり。
いつからかと思うと、2020年以前で、
ほんと、この状況は、貴重な機会を奪ってしまうなあ、
とため息の出ちまう気分。
けど、その分、この貴重な機会を楽しまなくては。
ワシはめちゃくちゃ貧乏性なのだ。

松本くんときとガラッと変わって、何もなくなったステージ。
ゴトウさんの立ち位置は向かって左の端っこ。
何かあるな、何もないはずがない。
と期待感が高まる。

なるほど!
壁は、そのままスクリーンになった。
そこに影絵が映し出される。
その映像には、音声も入っているようで、
それに合わせて進行していけば、
ゴトウさんはスクリーンを見なくてもタイミング合わせられるのか。
よく考えてあるなあ。
しかも、この影絵のクオリティがめちゃくちゃ高い。

凄く演劇的なステージだったが、ひとつのストーリーがあるわけではなく、
一曲一曲は独立しつつ、何か同じテーマを語ってるようにも思える。
言ってみればアンソロジーか。
あ、いやこれは音楽なのだから、コンセプトアルバムって方が近いのかかな。
いや、音楽も全体の要素のひとつで、
一編一編は短編小説のような哀愁を漂わせているので、
やっぱりアンソロジーの方が近い気がする。
一日経っても、こうやって迷うくらい、
観たことないもの観せていただいた気がする。

それだけでなく、曲ごとに違う色もつけて楽しませてくれる。
パントマイム、バーレスクっぽい踊り、アコーディオン演奏、
松本くんがサーカスなら、
ゴトウさんはキャバレーのショーでも観てる気分だ。
ただのショーではなく、そこに文学的な香りがふんだんに盛り込まれてはいるが。

本当に不思議な世界で、観客がみんなで、
ゴトウさんの世界にお邪魔してるような気分になってきた。
と、気がつくと、ゴトウさんの世界は客席にまで飛び出していた。

これは巧みなショーやなあ。
観客の誰もが、ちょっとザラっとした
今まで知らなかった感じを持って帰るのだろう。
ワシも一晩経って、昨日飲み込みきれなかったゴリっとした感じが、
減るどころか、さらに大きくなってきて、
それを確かめるために次のライブにも行かなくちゃ、と思っている。

ほんま、考えると、全然違うステージなのに、
全体通して見ると、一部、二部と、つながったステージにも思える。
一部、二部、通じて、自分がどこにいるのかわからにような感覚に
されてしまった。
ワシなんか、毎日のように来てるのに。
せい子ちゃん、ほんまに凄い!
ひとつひとつが独立した完成度の高いショーだけど、
全体をひとつにまとめて、面白いショーにしてるのは、
伊藤せい子プロデューサーの手腕によるものやな。

3人とも、ほんまにお見事でした。
プロの技を観せていただきました。
ありがとうございます。

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