映画「ZAPPA」。
凄かった。
間違いなく音楽史上に残る偉人だと思った。
ロック史上ではなく、音楽史上。
たまたまギターを持ってたから
「ロック」みたいに捉えられたけど、
そんな範疇に押し込められない音楽だ。
というわけで、映画「ZAPPA」を観てきて、
まだその興奮が続いている。
予告編で商業主義を求めなかったことが語られてるけど、
そんなことはフランク・ザッパの前では言わずもがな、なんやろうな。
「創りたいものを創る」
「自分の中にあるものを形にする」
それ以外の衝動は、ない。
純粋な自分の音楽への探究心。
それを追いかけようとすれば、
ロックだ、ジャズだ、現代音楽だ、なんてことは、
ほんの些細なことでしかない。
ましてや、売れるとか売れないとか、
考えてる暇はなかったのだろう。
それを貫くためには、どうしても
レコード会社との軋轢とかは生まれてくるだろうけど。
そういうのは、この人にとって、ほんまにノイズでしかなかったんやろう。
その気持ちを保ち続け、
それに反することには、どんなに批判されても貫く。
それを一生やり続けたのは、ほんまにすごいことやと思う。
その面では、全く濁りのない人生だと思う。
デビッド・ボウイやクラプトンなどのロック勢はもちろん、
現代音楽のクロノスカルテットなど、
ジャンルを超えた人からも演奏されて、
賞賛が集まってるのは、
当然のことなのだろう。
CMに出演してもらったことがある
エイドリアン・ブリューもチラッと出てくるのも、
個人的には嬉しかった。
この年代のミュージシャンに付き物のお薬の影が、
全くないのも、素晴らしい。
フランク・ザッパとチェコとの関係は全く知らなかったので、
ちょっとビックリしてしまった。
本人も、自分の国ではありえないくらいの
熱烈な歓迎ぶりにビックリしてたようだけど。
フランク・ザッパはチェコの文化特使だった:彼と自由を求めた東欧諸国の深い関係
フランク・ザッパが生きてる間に残したアルバムが60数枚、
亡くなってから出たのが50数枚、あるらしい。
「多作」と言うか、ほんまにやりたいことが溢れてたんやろうな。
映画に出てきた自宅の倉庫観ると、まだまだ音源ありそうやな。
丹念な取材と、わかりやすい構成にまとめてくれた
監督のアレックス・ウィンターとそのチームにも感謝。
フランク・ザッパへの愛を、むんむん感じる映画でした。
映画の最後にフランク・ザッパを支え続けた奥さんのゲイル・ザッパに、
この映画を捧げる、という言葉が入ったのが、
なんかすごく嬉しくて、泣きそうになった。
たまたま、近くの席に、伊藤せい子ちゃんと淀川てんきちさんがいてたので、
終わってから、少し映画について、話ができたのも嬉しかったなあ。
こういう映画観ると、誰かに話したくなるもんやから。
3人とも、けっこう興奮しておりました。
「ZAPPA」もう一度、観に行きたくなるくらいの、素晴らしい映画でした。
まだまだこれから公開の地域もあるし、
関西でもしばらくやるみたいで、
全国各地で観られるようなので、
ザッパ好きな方も、これから知ろうとする方も是非!