あの頃も、今も、生き抜く強さが人を輝かせる。BBBムービー「雪道」。
家からチャリで5分とかからない大阪グリーン会館で、
観たかった映画「雪道」の自主上映会があったので、
行ってきた。
朝鮮のいわゆる慰安婦をテーマにした映画だけど、
濡れ場的なシーンは、描くことなく、
分かる人には分かるように感じさせてる観せ方が上手い。
そして、今の時代も描いて、
その頃と今、日本政府と現在の韓国政府、いろいろ変わるけど、
弱者を作り出して、
その人々の生を脅かす「国」という存在の理不尽さを感じさせる
脚本に感心した。
しかも、その理不尽さんの糾弾に終始するのではなく、
それに苦しむ人たち、でも生きていこうとする人たちを
きちんと追いかけて、人間のドラマにしているのが素晴らしいと思った。
最初はプライドのために死のうとした人が、
友情を通じて、どんなことをしてでも生きていこうと変わって行く姿に、
人としての強さを感じた。
観たかったのは、慰安婦をモチーフにしてるってこともあるけど、
「冬の小鳥」や「私の少女」で上手さに感心した子役女優、
キム・セロンさんのその後を観てみたかったのが理由のひとつ。
もちろん、セロンさんはすごく上手くて、
ちょっとした表情で、いろんなことを感じさせてくれたけど、
他の役者さんも、皆さん、素晴らしかった。
セロンさん、もう立派な大人の役者さんやなあ。
当たり前のことだけど、「歴史に背を向けては行けない」
「ちゃんと向き合うことで、過ちを繰り返さないことができる」という
人間の叡智を改めて、認識した。
間違いなく、不幸な過去だけど、
だからこそ、それを財産にするべきなのだなあ。
終わった後、慰安婦問題をずっと研究されてる
平井美津子さんの講演があって、
面白かったのだけど、
次の予定があったので、途中で抜けてしまったのが残念だった。
あと、やっぱりこういう映画観にきて、いつも思うのだけど、
還暦過ぎのワシが、平均年齢を下げてるような観客層。
もっと若い人に、こういう映画観てもらうのって、
どうしたら、ええんやろう。