予想は裏切られたけど、期待は裏切られない映画でした。「アプローズ、アプローズ!囚人たちの大舞台」。
実話に基づいた感動の物語らしい。
ワシは、「慣れないことに、みんなで努力するええ話系」が好きなので、
そういう映画やとばかり思ってフランス映画「アプローズ、アプローズ!囚人たちの大舞台」を観に行った。
「教える側か、教わる側、もしくは両側が最初イヤイヤやってたけど、
誰かの熱意にほだされて、夢中になって、そこに自分の人生も重なって来て、、」みたいな、
流れなんやろな、と予想しながら、観始める。
ところが、なぜ、最初やる気のなかった囚人たちが、
次第に芝居にのめり込んでいったかは、あまり描かれない。
いや、そこまでのめり込んでるかどうかも、もひとつ実感できない。
やっぱりベケットの不条理劇「ゴドーを待ちながら」ってハードル高すぎたんじゃ。
え?中盤で、早くも、舞台で大ウケしてしまう。
「残り、惰性で続いていくんやろか?」
いろいろモヤモヤ抱えたまま、終盤にさしかかる。
「おいおい、もう終わっちゃうよ。どう終わらすのよ」
。。。。。
こんな結末が待ってたとは、、。
まさか、重ねてくるのが「ゴドーを待ちながら」そのものやったとは。。
一番喜んだのは、「ゴドーを待ちながら」の作者、ベケットやろな。
いやああ、気持ち良く裏切られたわ。
やっぱり、こういう大人のウィット感じる映画は、ヨーロッパやなあ。
予想は裏切られたけど、期待は裏切られない、
もう一度、観に行きたい映画でございました。