美しい映像と事実をわかりやすく伝えることの両立の難しさ。映画「霧幻鉄道」。

多少、てっちゃん気味なので、人によっては「世界一ロマンチック」という人もある、
会津の只見線のドキュメンタリー映画「霧幻鉄道」は観なきゃ、と思っていた映画ではあった。

2011年の7月、震災から4ヶ月後の福島県に追い討ちをかけるように、
集中豪雨が襲い、尾瀬沼を水源のひとつとする美しい只見川沿いを走る、
只見線は、幾つも鉄橋が落ち、存続が危ぶまれた。

この映画は、只見線存続のために頑張るひとりのカメラマン星賢孝さんを中心に、
地域や人々の取り組みに焦点を当てたドキュメンタリーで、
素晴らしく美しい映像で構成されている、のだが。

その素晴らしい映像を抒情的に描こうとする姿勢と、
ドキュメンタリーとして事実を伝えようとする方向のバランス、というか、
棲み分けが、ややゴチャゴチャになってて、
観てて、大変わかりづらい作品ではあった。

今、映像で映ってるのがいつ、どういう状況での出来事なのか、
掴みづらく、観てて何度も迷子になってしまった。
まあ、ワシの理解力不足と言われれば、それまでなのだが。

ナレーションも、時に事実をそのまま説明したり、
急に詩のように叙情的になったりを行ったり来たりする。
時々ナレーションに「私」とう言葉が出てくるのだが、
その「私」が誰なのか、結局分からなかった。
最初の方で「私は星賢孝さんを見守ることになった」みたいなナレーションあったので、
星さんじゃないとは思うんだが。

2011年の集中豪雨から、ほぼ現在までを描いているので、
「300日撮る男」の300日も、どの300日か、わかりにくい。
たぶん「一年に300日」ってことなんだろうけど、
「だったら言っちゃえよ!」と少し思った。

まとめていうと、「5W1H」が随所で曖昧なので、
ワシのような理屈っぽい奴は、そこで大きくつまづいて、
中身になかなか入っていけないのかもしれない。

あと、これは好みの問題なので、ワシひとりの感想ではあるのだが、
音楽が、あるところでは映像と合ってなくて、
あるところではトゥーマッチな感じがしたなあ。
「そこまでロマンチックにしなくても」とか
「今ジャズなん??」とか。。
合ってるところは、あまり音楽が記憶に残ってないので、
ワシにとっては、かなり映画観る上での障害になってた気がする。

と、まあ、いろいろ言いましたが、
ほんまに美しい景色の中を通る路線なので、
「一度、只見線、乗ってみたいなあ」とは、めちゃくちゃ思ったのでした。
来月10月1日には全線開通らしい。
おめでとうございます。
廃線が増える一方の状況で、素晴らしいなあ。
関係の皆さんの並並ならぬ努力の賜物でしょう。
お弁当もめちゃくちゃ美味しそうなので、
ぜひ、一度、お邪魔したいと思います。

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