橋本ヒネモスのBBBムービーvol.12「戦場のメリークリスマス 4K修復版」「崖上のスパイ」「銀平町シネマブルース」「すずめの戸締り」「アートなんかいらない!」。

「戦場のメリークリスマス 4K修復版」。

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こんなストーリーだったか!
シーンシーンは覚えてるんやけど、
ストーリーの流れは、あまり記憶になかったなあ。

史実やストーリー展開のリアリティより、
イメージ重視して、人間の気持ちを描こうとする映画なんやろなあ。
そういう意味では、戦争映画というより、
太平洋戦争をモチーフにしたファンタジー映画なんかもしれん。

映像もカッコええし、音楽もすごくええけど、
初めて観た時ほど、印象には残らなかったのは、
初めて観た40年前から、今にかけて、
ワシが徐々にファンタジーが苦手になってきたからかもしれない。

芝居としては、ビートたけしさんの演技が、一番好きやなあ、と思った。

「崖上のスパイ」。

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そう言えば「紅いコーリャン」好きだったな。
その紅いコーリャンのチャン・イーモウの監督作品ってことで観てみた。

ずっと緊張感あって、ハラハラはするのだが、
誰が味方で誰が敵か。
誰がスパイで、誰が逆スパイか。
そのことを知ってるのは誰か。
誰は誰を味方と勘違いしてるか。
もう途中で頭の整理が追いつかなくなって、
おまけに、登場人物が多いので、
人間の区別まであやふやになってきてもうたんで、
シーンシーンを楽しむことにスイッチ切り替えた。
ワシのような顔認識能力の低い奴には、向かない映画かもしれん。
最後の方、誰が死んでて、誰が生きてるのかも、ようわからんようになってしもた。

イデオロギーとか思想とか、ほぼ語られることもなく、
正義とかもどこにあるか、ようわからんようになって、
ほぼ、読み合い、騙し合いの連続になってゆく。
それは、映画の中の両陣営のものでもあり、
制作者が観衆に仕掛けるものでもある、って気がしたな。
けど、その結果、まあ、ほんまによう、人が死ぬ!

最後、ええ話に持ってくとこが、
かなり力技っぽくて、ちょっと嫌でした。

「銀平町シネマブルース」。

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ミニシアターを舞台に、スランプの映画監督を描いた映画ってことで観てきた。

う〜〜む、映画愛も感じるし、キャラクターも、まあまあ魅力的なんやけど、
そこまで、グッと来る感じがしなかったなあ。
期待値が高すぎたのか。

ちょっとコミカルな要素が邪魔したのか、
登場人物の苦悩が、ワシには、そこまで深く感じられなかったのが、
原因かもしれない。
助監督のクダリは、少し泣きそうにはなった。

なんとなく「惜しい」って気のする映画でした。

「すずめの戸締り」。

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たまには、世間様の話題作も観ておこおうかな、と。

描写力は素晴らしい。
神戸の東山商店街とか、ディティールまで描き込んであって、嬉しくなるし、
「丁寧に取材してるんやろなあ」と感心もする。

ストーリーの流れや見せ場の作り方なんかは、ややパターン化してきた気がした。
でも、まあ、こういう作りだと、やっぱり人は呼べるんやろうなあ。

「アートなんかいらない!」。

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「アートってなんやろ?」というワシの根本的な疑問に答えてくれるかなあ、
と少し期待しつつ、観に行った。

「これがアート?」と思うような、
アートの現在位置を教えてくれたこと、
知らんもんいっぱい観せてくれたことには、感謝している。
その中には「おもろいなあ」思うもんも、
「ケッ」て思うもんもあったけど、
それはワシ個人の感じるとこで、
好き嫌いの問題がほとんどなんで、
否定するものでも、肯定するものでもない。

なんだかちょっと違和感を感じたのは、
全体をまとめようとする制作者の視点へのものなのかもしれない。
なんだか理屈を乗り越えようとして、
余計に理屈まみれになってる印象。
自分を「アート不感症者」と呼んでるのも、
逃げ道作ってるようにしか感じなかったし、
「アート」を「あーと」と言い換えてるのも、
「だからなんやねん」思ってしまった。
それで距離が縮まったようには思えない。
単純化しようとして、余計複雑にしてる気がした。

そして、明らかに個人としての意見が、
ナレーションで出てくるのに、
それが、この映画の監督さんという個人なのか、
ナレーターの町田康さんの感想なのか、
はっきりしないのも、ちょっとモヤモヤした。

もう、変に映画全体をまとめる作家性持ち込まずに
「アート博覧会」みたいに、いろいろ紹介してくれるだけでええのになあ、
と、ふたつのセッション観終わって、思った。

玉川上水の46キロを地球46億年に例えて歩くのは、
なんかちょっと無理あるような気もしたな。
歩きながら、地球の歴史に思いを馳せるより、
46キロで変わって行く風景に集中する方がええんではないか。
まあ、参加者が、それを楽しんでるのなら、
ワシがどうこう言うことではないのだが。

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