橋本ヒネモスのBBBムービーvol.14『「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち』「THE FOOLS愚か者たちの歌」「REVOLITION +1」。

「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち。

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情緒的に観ようとすれば、いくらでも情緒的に観られる映画だと思う。
ただただ先生の言うことを聞いて、二度と還らなかった子どもたち、
「山に逃げよう」と言ったのに、先生にその意見を聞いてもらえず、命を落とした子どももいた。
その責任を、できるだけ回避しようとする行政への怒り。
どうして、そんなことになったのか、真実を純粋に知りたいと思う親たち。
どれを取っても、涙が溢れそうになる。
実際、映画館でも、すすり泣く声が、ときどき聞こえた。

だけど、この映画は、それ以上の大切なことを訴えているように思えた。
真実が明らかになっていくことで、見えてくるいろんな問題点。
これからの課題。
裁判官の「学校が子どもの命の最期の場所になってはならない」という言葉に、
すべてが集約されてるように思った。

親が「知りたい」と思った真実にこそ、
その課題を乗り越えるための鍵があるのだろう。
子どもたちの命は決して還らない。
だからこそ、そこから学べることを、ひとつも漏らしてはならない。
自分たちの責任逃れのために、その道を閉ざすことなど、
もってのほかだし、
ただただ涙を流すことも、なにか違うような気がした。

災害が起きたとき、その後に何をするべきか、
普遍的に大切なことを教えてくれる映画なんじゃないか、と思った。

「THE FOOLS 愚か者たちの歌」。

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ワシより、ちょっと上の世代で、むちゃくちゃすごいバンド、
という認識はあったが、
それほど詳しく知っていたわけではなかった。
この映画を観て、そのことを後悔した。
川田良さんと、伊藤耕さんが生きておられるうちに、
味わい尽くしておくべきだった。

うまいへた、なんて、言うに及ばず、
かっこいい、とか、すごい、とかの次元さえも超えた、
THE FOOLSだけが、届いた世界があったんやな、
と理屈ではなく、皮膚感覚でわかるような気がした。

それを感じさせるほど、メンバーを裸にひん剥いていく映像もすごい。
THE FOOLSというバンドの偉大さを知るためにもいい映画だが、
音楽ドキュメンタリー映画としても、
超一級品の映画やと思った。

「REVOLUTION+1」。

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さすが、若松孝二さんの盟友、足立正生さん、
あの事件を、半年もしないうちに映画にしてしまった。

ところどころ、表現が昭和過ぎて、観てて照れくさくなるシーンもあったけど、
この短い期間で、本質を抉り出す、視点に驚いた。
世間でこの事件がやいのやいの言われて、
いらん情報が耳に入ってくるより先に、創ってしまいたかったんかなあ、と思も思った。

史実として、ほんまのところは、どうなのか、現段階ではわからないけど、
この映画の中では、あの事件に向かう主人公の心理は、
観てて、すごく理解できる気がした。
(あ、あの事件の殺人を肯定してるわけではありません。)

あの事件が明るみに出した、いくつもの問題を、
決してないがしろにしたら、あかんよなあ。

余談。
「安倍さん、あんだけ韓国嫌いやのに、
日本人は、この団体に貢ぐべきとする、この団体に肩入れする意味がわからない」
「それを非難しないネトウヨもわからない」みたいなことを、
主人公が呟いてたけど、ワシも、それ、ほんまそう思う。
それも主人公が呟いてたけど「敵の敵は味方ってことか」に、
少しだけ「なるほど」と思ったけど、
それでも、あの嫌韓ぶりと、この団体への肩入れは、
理解し難いなあ。

音楽がめっちゃええな、と思って、クレジットで確認したら、
大友良英さんでした。
さすが!

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