宇梶剛士さんのお母さんは、すごい経歴の持ち主だった。BBBムービー「大地よ!〜アイヌとして生きる〜」。
俳優の宇梶剛士さんがアイヌの血を引いている、ということは知ってたけど、
そのお母さん宇梶静江さんが、こんなに多才で、
アイヌ文化を広めようと、いろいろ活動されてるとは、
全く知らなかった。
静江さんの話は、ひとつひとつ、知らなかったことが多く、
全部興味深かった。
なんども心の中で「へ〜〜〜!」と感心しながら観ていた。
しかし、映画としては緩急がなく、
平板すぎる気がした。
息子の宇梶剛士さんがナレーションをやってることもあって、
お金をかけて、よくできてるホームビデオ、という感じがしてしまった。
いや「映像詩」なのかもしれんな。
奇しくも、本編の中で静江さんが「詩は終わらせるのが難しい」と言っていたが、
この映画も、映像詩ならば、終わり方に苦労した感じがあったなあ。
ずっと平板で盛り上がりに欠けていたので、
「どうやって終わるのかな?」と思ってたら、
かなり強引に音楽などの力で、盛り上げてストンと終わってしまった。
う〜〜む、せっかくいい素材が揃ってるのに、
もう少し、山あり谷ありの、観やすい展開にできなかったものだろうか。
もったいないなあ、というのが、素直な感想。
あと、個人的には、宇梶静江さんを起点に、
OKIさんや安東ウメ子さんなどまで広げて、
アイヌの文化をもう少し広く語ってほしかった気はする。
現状では、宇梶静江さんの伝記映画のような感じで、
静江さんが、凄すぎることで、余計に、
観客の目線が静江さん止まりで、アイヌ全体に広がらない可能性が、
ありそうな気がした。