自己愛の強いじじいって、面倒。BBBムービー「老ナルキソス」。
こないだ観た「苦い涙」の主人公と言い、
この映画の主人公と言い、
ほんまに自意識高いじじいって、
自分本位で扱いにくいわ〜。
加齢とともに、寛容性が、ますます失われてしまうんやろか。
すげえ周りの人に恵まれてて、
大事にされてるのに
「世界で自分ほど不幸な人はいない」とでも言いたげな、
自己憐憫の強烈さも、
「苦い涙」と共通してて、
「これって、じじいに共通の特徴なのか」と不安になってしまった。
気をつけなきゃ。
50歳くらい離れてるのかな、じじいと青年、
同じように家族との距離感、感じてて、
新しい家族を作ることへの漠とした不安を感じてるのだろう。
その気持ちが丁寧に描かれていて、
どちらの気持ちもよくわかる気がした。

じじいが若い頃、結局決心できなかった新しい世界に、
青年が最終的には、飛び込めたのは、50年経って、
社会の状況が、変わってきたことにも起因してるのかもしれないな。
この映画、絵本がキーになってるんやけど、
その絵本の絵が、個人的に、あまり好きな感じではなかったのは、
ちょっと残念やけど、
それは、ワシの好みの問題やしな。
最後に出てくる絵本のストーリーは、
映画全体のストーリーとの距離感が絶妙で、
「ナイス!」と思いました。
「最後、じじいが生きたまま終わるのも良かったな」と思った瞬間、
「あれ、そう言えば、病気どうなったの?」と、思い出してしまった。
まあ、他にもいくつか、置いてきぼりの件があったりと、
やや雑なストーリーも見えたりしたが、
じじいと青年、二人の気持ちが丁寧に描いてあるので、
気持ちよく、観終われる映画ではありました。