「波の上のキネマ」増山実。

ちょっと前に出版されて、入手はしてたんだけど、
そのとき、もう入院することが決まってたんで、
読まずに、内容にも出来るだけ触れないようにしていた本。
面白いことは、増山さんの本なので分かっていた。
「この本が読める」ということで、
入院も少し楽しみになってたくらい読みたかった本。
昨日、今日で一気に読んでしまった。
何ということだろう。
正に今のワシが読むべき本だった。

舞台は大阪の隣町尼崎を皮切りに、
那覇、伊江島、糸満と沖縄本島とワシにゆかりの場所を巡る。
そして物語の中心舞台は西表だ。
物語の大半は、辛く、苦しい話が続くが、
それすらも「治って沖縄に行きたい」という気持ちをくすぐる。
今日、朝飯のとき、シーカヤックで八重山を巡り、
その島の内部にまで足を進めるドキュメンタリーやってたが、
「へー!西表にこんなとこあったのかー?」と思った、棚田のようになった滝が、
たぶん同じ場所だと思うのだが、物語にも出てきたのにも驚いた。

物語のもうひとつの芯は、
タイトルにもあるように映画。
「カメラを止めるな」とはまた違う映画愛が感じられたのも嬉しかった。

まだまだ入院生活は続くのに、
読み終えてしまっていいのだろうか?

ご安心を。
増山作品は、物語にいろいろ伏線が巡らされているので、
1回目より2回目の方が面白いときもあるくらいなのだ。
今回はそれをゆっくり楽しもう。

そういえば、入院の数日前、アフターアワーズで、
作者の増山さんに偶然お会いして、
そこには八重山に移住した金岡さんもおって、
二人を含む方々に、送り出されたのだった。
ワシが気づいてなかっただけで、
いろんなことが、この本に繋がっていたのだなあ。

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