なにも起こらないけど、すごく意欲的な映画。BBBムービー「アシスタント」。
むちゃくちゃ意欲的な映画やと思う。
ストーリーとして言えば、
映画会社の女性新入社員の、表面上は何も起こらない一日、
ってことにしかならないかもしれん。
実際、主人公以外の周りの人間にとっては、
普段通りの何もない一日だったのだろう。
しかし、ひとたび、目線をこの女性の側に変えると、
そこには、パワハラ、セクハラ、男性中心社会の理不尽が渦巻いてる。
こんな何事も起こらない、ほぼ同じシチュエーションの映画なのに、
全然退屈しなかった。
脚本の組み立て方と、観せ方の力量が凄いんやろなあ。
そして、自分の会社員時代のことを振り返ってしまう。
自分では気づいてないけど、同じような理不尽の種を振り撒いてたのではないか。
この女性に共感するかどうかは別にして、
組織で働く人、組織でなくても人と共同作業をする人、
つまり、たぶん働くすべての人が、
一度は考えてみるべき問題の詰まった映画やと思う。
