河内の山賊に襲われて、持ってかれた夜。野伏(のぶせり)@気まぐれハート。

JR京都線で京都駅から大阪駅に、
環状線に乗り換えて、新今宮で南海高野線に。
1時間半以上かけて、降りたのは、
たぶん初めて降りる「滝谷駅」。

同じ大阪府内なのに、めっちゃ旅行気分になる。
いきなり、小さいけど、めっちゃ痛い虫に足を噛まれる。
「痛っ!」と思って振り払ったので、どんな虫かわからんかったけど、
たぶん、蟻の類なんだろう。
幸い、痛かったのは一瞬で、すぐどこを刺されたのかもわからなくなった。

Googleマップさんによると店は100メートルくらいみたいなんやけど、
旅行気分になってたもんで、
いろいろ観ながら歩く。

まずは燕の巣。
大阪市内では見かけないもんなあ。

いきなり、楽しそうに、ひどいこと言われた気分になる。

まあ、そやろな。

「どうします」が気になる。
狙いではないんやろうけど、めっちゃおもろい。
「止められるスペースがあって、安かったら、
総面積は、こだわらんなあ」思う。

そんなに狭くもなかった。

「演歌歌手の晴香うららさんは気にしなかったんや」思ったけど、
これ、今見たら、この駐輪場で撮った写真じゃないな。
せっかくなので、晴香うららさんの曲、聴いてみた。

ちょっと大ちゃん音頭の頃の天童よしみさんを思わす。
やはり南河内だからだろうか。
めっちゃ明るい曲調やけど、
かなりひどい相手やなあ、とは思う。
特に一番「ちょいと!」ゆーてる場合やないと思う。

あかん、旅行気分で寄り道がすぎた。

ようやく店に着いて入ると、一曲目終わってしもてた。

ここからようやくライブのレポートです。
この日、観に来たのは「野伏(のぶせり)」。
四年前、ムジカのツアーで堺に移転したファンダンゴで観て以来、
ずっと気になってたバンド。

ゴツゴツしてて、男臭くて、前向きで、
パンクがパンクのまま、年齢を重ねた感じで、
グッと来たのだった。
けど、その男臭さと、来たことのない地元感で、
ヘタレのワシは、「ちょっと怖いな」とくるのをビビってたのだが、
ボーカルの健さんに優しく「お待ちしてます!」と言ってっ頂いたので、
勇気を振り絞って出かけたのであった。
結論から言うと、行ってほんまによかったです。

入ったら、ライブハウスというよりは、
カラオケスナック。
で、客層。確かに、地元感はすごかった(笑)
ワシ以外全員知り合いかもしれん、という中、
ワシ的には、けっこう気持ちよく聴かせてもろた。

男臭うて、だる〜とした音楽やなあ。
前に聴いた時の印象と少し違うのは、
アコースティックセットで「ゆるい夜」と銘打ってたからか。
けど、こっちもええぞ。
安心して、肩から力抜きまくろう。

ライブ途中、メンバー総出でスクリーンを直す。
むっちゃ手作り感。さらに好きになりそうやん。
スクリーンには「野伏」の文字に、
「七人の侍」が映ってる。
文字とよう合うやん。ええわあ!

「年取ってきてロックとかしんどなってきて」
「こーゆーのなら、ずっとやってられるわ」。
そーやんなー、確かに、前に聴いた時はバキバキの怖いくらい
ゴツゴツした音楽やったもんなー。
けど、確かに初めからゆるゆるの音楽ではなく、
バキバキを通過してきたゆるゆる。
これはこれで味がある。

アコースティックベース、音も形もカッコええ。
だるーっとしたままのユニゾンコーラスも、
めっちゃええやん。

なんだかんだ、皆さん,歌も演奏も、ハイレベル。
ハモリも気持ちいい。
と言うか、ベースにあるメロディそのものが
そーとーええんやろなー。

キャンプの歌って言って始めた曲、「アイルビーファイン?」
流れるようなメロディ、ジャカジャカ爽やかなギター、
言いようによって、ネオアコかもしれんなーと思う。
メンバーにゆーたら怒られそうやけど(笑)

お!ベースの音が深くなったな、思ったら、
エレクトリックコントラバス?に変わってる。
アルトリコーダーを入れるセンスもいい!

前に見た時は、男臭くて、かっこいい
ロックンロールパンクバンドってイメージやったけど、
メロディアスやったり、陰鬱で文学的な歌詞やったり、
かなりポストパンクな部分もあるバンドなんやなあ。
余計気に入ったかも。

ゲストでノイズバンドのボーカリストと紹介された方が登場。
「ノイズバンドか!」と構えたら、
めっちゃ爽やかな「雨を見たかい」(笑)
二曲目、カバーかオリジナルか分からんけど、
ノイズっぽくはないけど、
ちょっとパンク〜ニューウェーブな匂いがする曲。
あとでゆーてはったけど、オリジナルでした。

ラストの「低空飛行船?」が個人的にはツボ。
めっちゃ乱暴に言うと、ディランとどんと混ぜて、
豊田道倫さんふりかけたような(笑)
却って、わかりにくくなったか、すんません!

そして、野伏。
二部は、なんかめっちゃ「ストロベリーフィールズ」っぽい、
メロディアスで、かわいいイントロから始まった。
メロディもキュート!

「お!昭和のフォークソングをリスペクトして、、」という曲は
泉谷しげるさんぽくて、ええリズム。
こんないろんな面のあるバンドやってんなー。
ワンマン来て、ほんまに良かった!
最後「二人並んで立ち小便」をかっこよくハモる(笑)
こういう遊びのセンスも、ワシ、好きかも。

「帰り道」も、ちょっと前の日本の音楽っぽい気がする。
あえて言うと「はっぴいえんど」?
一部はブリティッシュな感じしたけど、
二部はなんか日本っぽいな。
しかも、ブリティッシュも、日本も「ワシの好きな感じの」ですわ。

「こごせの空」の「こごせ」は「金剛山」のことらしい。
へー!うーん!
これはリフが全体貫いてて、
メロディも歌詞も情景が浮かびつつ内省的で、
なんとなく「The Doors」っぽい気がする。

とか言いつつ、ちょくちょくスカ、レゲエ出てくるんよな。
ほんま幅広いバンドやなあ。
けど器用貧乏やなく、ぶっとい芯があるから、
ずっと「野伏」やわー。

ほぼ初めて聴く曲ばかりやけど、全然退屈せん。
それは意外とポップなメロディセンスということもあるんやろな。

ボーカルの健さんは、ここからさらに車でしか行けない、
電車も通ってないとこに住んでるらしい。
自分の生き方を持ってる人は、自分の歌を持っている。

お!ハモンドオルガンっぽい音。
そーか!世代的にワシと近いから、
何聴いても、ワシに近い音楽って気がするのか。

「般若心経」が混じる曲はなんか聴き覚えあるかも。
(あとでブログ見るとファンダンゴで聴いてました。)
これもめっちゃリフがカッコええ!
ボウイの「ヒーローズ」をちょっと思い出す。
どんなポップな曲歌っても、
ボーカルの声の端っこに凶暴な痕跡があるのもおもろいな。

「君と僕」はイントロと言うか、
ギターリフが、少しハレルヤっぽい(笑)
「死ぬまで生きるだけの話」って歌詞が刺さる。
他にも、ええ歌詞いっぱいあったな。

ラストソングは「バイバイバビロン」。
ケイジャン?
よー分からんけど、とにかくアメリカ南部の匂いがして楽しい。
ある意味、今日初めて野伏に感じたアメリカか(笑)

いやあ、ほんま楽しかった。
健さんはメッセージでやり取りしてたけど、
ちゃんと話すのは初めてやし、
他の人とも話したことなかったけど、
ずっとニコニコしながら音楽を楽しんで過ごした。
ワシ、こんなこともできる子に育ってたんやな。

ほんまは、皆さんと話ししたかったんやけど、
ここは地元の人たちの時間やろうし、
ワシもどれくらい帰るのに時間かかるかわからんかったので、
少し飲んで落ち着いて、ご挨拶して帰ることにした。
この地元感も楽しかったので、
今度は、この近くに宿をとって、
またこの場所で聴きたいなあ、と思った。
大阪市内でも、もちろん聴きたいけどね。

この年になって、また好きなバンドを見つけられた、
幸せな夜だった。

このブログ書くために検索してて見つけた「河内の山賊 野伏の歴史」が、
めちゃくちゃ面白かった。

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