灼熱と土砂降り7月26日の京都③「超細密工芸」@清水三年坂美術館から時忘舎へ。

さて、島原を見学し終わったあと、どこに行くか、
再び迷った。
映画を観損ねた分、時間はたっぷりあった。
「あそこに行くか」。
観たい展覧会だけど、場所が苦手で躊躇してたところ。
まあ平日なので、ええか。

そこにバス一本で行けるバス停まで、歩いて10分程度、
しかし、猛烈な暑さで、着くまでに汗がダラダラ、
目に入るくらい出てきた。
バスの来る時間まで、あと15分。
しまった、角屋で、時間調整すれば良かった。
近くにコンビニはない。
目につくのはパチンコ屋くらい。
ワシは、パチンコ屋の音が苦手で、
頭がガンガンしてしまうのだが、
この暑さには敵わない。
逃げ込むように入ると、
休憩室があった。
冷房効いてて、快適!
ありがとうございました!

バスで向かったのは、清水坂。
ここの観光客の人混みがむちゃくちゃ苦手なので、
躊躇してたのだ。
やはりお店も観光客相手のものが多い。

「10円?」と気になったが、
ああ、10円の形したパンってことか。
流行ってるらしいが、
なんか、騙されてる気がする。

買わず。

向かった先は、清水三年坂美術館
ここ自体は、京都の工芸の中でも、細密なものを集めた感じで、
中は静かなので好きなのだが、
そこに行くまでに、京都でも一番観光客が多い場所を通らねばならず、
何度か行きたい展覧会、諦めた場所である。
今やってるのは、その中でも選りすぐりの品を揃えた
「超細密工芸」の展覧会。

もう老眼のワシには、観るのもこんなんな程の。
細かい細工が並んでる。
文字、絵、彫刻、、、。
七宝焼、陶磁器、漆器。
こんなんどうやって創るんやろ。
想像もつかない。

今回は、京薩摩の繊細な美しさが一番印象的だった。
もちろん、蒔絵や根付けもとんでもない。
「できるだけ小さくて、手の込んだものを創りたい」という
執念の凄さ、熱量を感じて、頭がクラクラした。
不器用で知られるワシには、理解不能な情熱やなあ。

帰り、せっかく滅多に来ないとこ来たんやし、
もしかして開いてたら、と八坂の塔に寄ってみる。
そこも、たぶん、すごい人なんやけど、
ここから東山通りに出る道は、どこでも、
もうたまらんくらい人が多いので、一緒やしなあ。

行ってみると、それほどの人でもなかったんやけど、
やっぱり八坂の塔(法観寺)は、閉まっていた。
ここは、「不定休」で、開いてるのが珍しいってことで有名なのだ。
比較的、土日に開いてることが多いらしいが、
それこそ、すごい人やろうしなあ。
なんで、もう少し、人が少なかった、あの時期に来なかったんやろう、
と少し、後悔する。

次に京都で行きたかったところで、ここから近いところを考える。
そうや岡崎の京都国立近代美術館で、
陶芸をオブジェなどの芸術に高めた走泥社の展覧会やってるんやった。
ここからなら、歩いて行けるな。

知恩院の前を通って、白川沿いに歩く。
京都の中でも好きな道や。

といきなりの激しい雨。
「こりゃたまらん」と古川町商店街に駆け込む。

雨はしのげたが、アーケードの下に行っても、
アーケードを叩くすごい雨音。
そうとう大粒の雨なんやろうな。

少し雨音が弱まったので、
傘を出して、三条通渡り、再び白川沿いに。
と、ワシが外に出るのを待ってたかのように、
再びすごい雨。
今度は雷まで鳴り出した。
怖いくらいの大音響。
国立近代美術館までの間には、
展覧会観た後で寄ろうと思ってた、
時忘舎がある。
とりあえず、そこに逃げ込もう。

ここは、会員制のカフェで、
先日、ネットで会員になったのだが、
なかなか来れてなかった場所なのだ。

初来店のときに、名前と誕生日で、会員になったことを確認して、
会員証を発行してもらう、
ということなので、名乗ると、
「ああ、こないだメールでやりとりした」と覚えていてくださって、
「奥に個室ありますので、そちらにどうぞ」と通される。
けっこう濡れてたのに気づいて、ペーパータオルを渡してくれた。
もう好きや!会員になって良かった!

タオルで濡れた頭や腕を拭いて、落ち着いて周りを見渡すと、
ほんまにええ空間。

会員証と一緒に渡されたお手紙や、布袋、ひとつひとつに、
この建物を大切に思う気持ちや、感謝の気持ちがこもってて、嬉しくなる。

ちょうどお腹が空いてたので、料理も頼んだのだが、
すごく美味しくて「好き」がどんどん積もってゆく。

個室以外の空間も、すべて同じ思想で創られていることがわかる、
気持ちのいい空間。

ゆっくりお料理を頂いて、コーヒーを飲んで、
贅沢な時間を過ごしていたら、
いつの間にか、雨も止んでいた。

せっかくなのでお庭を拝見しよう。

庭に水路がある!とびっくりしたけど、
考えてみると、ここは昔、精麦所で、
水車で麦を挽いてたらしいので、当然なのだった。
ああ、そう言えば、こないだ見た白川の支流みたいなとこは、
この水路が、白川に合流するところだったのだな。

庭も素晴らしくて、いつまでも観てられる気がした。
今度は、ここでお茶が飲みたいなあ。

時間を気にするのを忘れてしまっていた。
時計を見ると、5時少し前。
今から京都国立近代美術館に行くと、
1時間足らずで、観なくちゃいけない。
閉館時間を気にしながら展覧会を観るの、
かなり苦手なので、展覧会は次の機会にしようかな。
「そうや!天気のええ日に、来て、
展覧会のついでに、この庭でお茶飲めばええやん!」
すごくええこと思いついた気がした。
展覧会に行けなかったことが口惜しいどころか、
得したような気分にさえなっていた。

ということは、時忘舎を、むちゃくちゃ気に入った、ってことなんやろな。

会員さんなら、3名まで同伴できるみたいなので、
行きたい方、ワシと行きましょう!
連絡お待ちしてます!

外に出ると、白川の水の量がかなり増えていた。
そうとう降ってたんやろなあ。

ここからは、阪急河原町駅へも、京阪出町柳にも、バス一本で行けるけど、
そろそろラッシュアワー、人混みに巻き込まれたくない気持ちが勝って、
出町柳に向かうことに。

出町柳の駅近くに虫に喰われた葉っぱがあった。
なんだか、その虫食い痕がデザイン的にええ感じがして写真撮った。

出町柳駅に着くと、ちょうど、七条〜京橋ノンストップの特急が発車寸前。
しkも二階建て車両の2二階の窓側が空いてた。
ラッキー。

乗り込んで、ウトウトしてると、最近東京から大阪に戻ってきた
友だちから連絡。
その日のうちに会うことになり、
18時半過ぎには、天満で、3年以上ぶりの乾杯を交わしたのであった。
友だちに聞くと、大阪は全然雨は降らなかったとのこと。
やはり、あれは、地域限定のゲリラ豪雨やったんやなあ。

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