カニコーセン&AZUMI@レインコート。
二週間くらい前の話になってしまいましたが、
11月14日、カニコーセンくんとAZUMIさんのレインコートライブ行ってきました。
ワシ、その二日前もカニコーセンくんのワンマン、行ってたんでした。
ワシゃ、カニマニアか!
けど、この播州対バン、観逃せんですわ〜〜。
おお!「インクライン」から始まったぞ。
やはりワンマンとは色が違う。
けど、やっぱり日曜にも感じた、言いしれぬ圧は迫ってくる。
これはカニコーセンの変革、ホンマモノなんやな〜。
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MCもなく畳み込むように、「ベッドタウンブルー」に。
なんかギター一本やのに、他のどこでも感じたことのないようなグルーヴを感じる。
カニくん、自分のブルースに辿り着いたんやなあ、となんとなく思う。
短くMC、短いけど、環境変化ネタでひと笑い、取る。
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まさかの市原悦子でのコール&レスポンス!(笑)
ア・カペラで観客が手拍子打ちながら歌う狂気苦笑の世界!
笑いのカニも、健在のようだ。なんだか安心(笑)
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MCで「これからの暮らし」話、した後で
「天国へのエスカレーター」って、切なすぎるやろ!(笑)
けど、これが自分を笑うことで、
何かを乗り越えて行くカニコーセンくんのやり方なんかもなあ。
ほんで、ワシは、そんなんが好きなんやろな。
この流れで聴く「酔いがさめたらうちに帰ろう」は、絶品。
なんだか聴いてて、心の中で「鬼気迫る」という言葉に辿り着く。
なんかハードボイルドなリーディング、始まったぞ!(笑)
と思うと、それが「モンダモン」の枕詞だったとは!(笑)
胸に迫ってくる切なさが、モンダモンで、
何か捻じれて行って、場に漂い始めた不思議な高揚が、
「自分天国」「メリケン粉のロックンロール」で笑いに消化して行った。
けどそれは、ただの笑いではなく、寂しさを影に背負った笑いやなあ、と感じられた。
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「学校おばけ」、どんな不幸があっても、毎日は淡々と進んで行き、
ワシらは何事もなかった日々と変わらんこともやりながら生きている。
なんかすごい歌に思えて来た。
中一日でカニコーセン観に来たけど、なんかますます観たくなってしもてる。
もうワンマン観たくらい、充実したライブやったけど、
お楽しみはまだまだ。AZUMIさんが始まる。
実はAZUMIさん、ライブ観るのん、けっこう久しぶり。
なんかクラシックや、スパニッシュやアメリカや日本の民謡が
次々に出てくるような不思議なインストから始まった。
これが今のAZUMIさんの「自然」なのか。
AZUMIさんも日々変化してるんやなあ。
インストかと思ったら、5分以上弾いたあとボーカル出て来た。
初めて聴く曲やな。メロディとしては、ワンフレーズの繰り返しやけど、
それがなんかだんだん積もって行って味わい深くなっていく。
ミルフィーユみたいやな。
こんな構成で音楽を成立させるのって、やっぱり年輪なんかもなあー。
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なんかギターの一音一音への気持ちがすごい気がする。
その結果、意思を持ったような、生きたきれいな音が繋がっていく。
隙間なく、もちろんMCもなく、いろんな曲が繋がっていく。
メドレー、というより全体で一曲、という気がする。
他の誰にも似てない、他の誰も真似できない、
真似しようとしたら、痛い目に遭うザッツAZUMIワールド。
タイトルつけるとしたら「AZUMI@レインコート」しか考えられん。
カニくんとは違う種類の圧や熱量が、ステージから絶え間なく、迫ってくる。
落ち着いたリズムで、静かなメロディの時でさえ、その熱いなんかを感じる。
お父はんが出て来はった。「天王寺」や。
名曲が続き「何も考えない」になだれ込む。
ギターがものすごい。
ほんま日々、進化。
尊敬っすわ。
そのアウトトロが、なんか、ものすごかった。
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一人サイケデリック!これで終わるのかと思ったら、
間髪入れず「ハレルヤ」鈴木常吉さんバージョン。
「闇を照らす灯りを消すのだ」
ガザやシリア、ウクライナやミャンマーの今が浮かぶ。
常吉さんは、ウクライナやガザのこと知らないのだなあ。
おお!この曲の途中で、AZUMI説法、始まりました。
爆音ギターの向こうから「ハレルヤ」が聴こえてくる。
瓦礫の砂煙に響く「祈り」のようだ。
終わってみれば、ほんま休むことなく、1時間以上。
あらかじめ曲順とか決めてるんかなあ。
いや、何曲かは、どれくらいのタイミングで入れようってのはあるかもやけど、
全体的には、きっと頭とか使わず、
心に降ってくるもんを歌ってるんやろうなあ。
でないと、あんな自然には繋がっていかんやろう、
そう思わせる本能的な演奏でした。
美しく圧巻でしたわ。
実は、この対バンの話聞いた時から
「播州平野に黄砂が降る」を二人でやるのん、
期待してたんすが、
そんな気持ちすら、野暮に思えるくらい、
二人とも、すごい圧の、完璧なライブでございました。
えらいもんを観たなあ、思いながら、
ポカーンと魂抜かれたみたいになって、
家に帰ったのでありました。