死霊の盆踊り〜追悼遠藤ミチロウ〜@渋谷クアトロ。

今日は久しぶりに東京に。
出張じゃなく来たのは、
大学時代以来かもしれない。
人混みが苦手なので、東京、しかも渋谷など、
よっぽどじゃないと来ないのだが、
今回は、その「よっぽど」があったのだ。
遠藤ミチロウさんを追悼する音楽葬
「死霊の盆踊り」を観に渋谷クアトロに来たというわけなのだ。

夕方17時過ぎ、ニーナ・シモンの
「ミスター・ボー・ジャングル」をBGMに、
ピカちゃん登場。
「ミチロウ!あなたの顔は、
いい加減忘れてしまいました!」と叫んでドラムを叩き出す。
「お母さん いい加減あなたの顔は忘れてしまいました」。
あの曲の長い言葉を澱むことなく、
爆音ドラム叩きながら、感情入れて朗読。
頭から溢れんばかりのミチロウ愛だ。
そーか、ミチロウさんが逝く数日前に、
母になったんやな、ピカちゃん。
このイベントのオープニングが関西のピカちゃんて、
なんか個人的にも嬉しかった。
素晴らしいオープニングやったよ。
すすり泣く声が、あちこちから聞こえた。

続いてタテタカコさん。
愛知県豊田の橋の下世界音楽祭、
那覇のアサイラム、
タテさんとミチロウさんと過ごした祭りが、
頭に次々と浮かぶ。たまらん!
タテさんの咆哮は本当にミチロウさん譲りだ。
タテさんには、この日挨拶できた。
沖縄、熊本、大阪、京都、豊田、東京と
いろんなとこでタテさん聴いてるなあ。

続いては、AZUMIさん、
迫力の「ジャスト・ライク・ア・ボーイ」。
怒ってるような、泣き叫んでいるような
ギターソロと咆哮、凄かった。
そして、、、降りて来た!
ミチロウさんや!
ホットコーラの話、
あの世スーパーバンドの話、
笑いました!受けてました!
東京でも受けて、なんか嬉しいなあ。
だけど、聴いてるうちに泣けてくる。
今日はそう言う日だな。仕方ない。

AZUMIさん、そのままステージ残って、
白崎映美さん出て来て「義理と人情」。
この流しの二人を観るの、めっちゃ久しぶりやなあ。
「また観たい!」思ってたけど、
こんな機会に、観ることになるとは。
映美さん、ステージ降りて、
客席の真ん中で、みんなを煽る。
突然の映美さんのふりに、ちゃんと応える。
反応のええ観客やなー!
ミチロウさん、きっと降りて来てるはずやな、とふと思った。

続いては友部正人さん。
ほんま今日のメンバー、
ため息出るほど素晴らしい。
ミチロウさん、今年の9月30日に
友部さんとのライブを計画してたらしい。
そこで歌う予定やったと言う
「誰も僕の絵を描けないだろう」を。
その話を聞いてから曲を聴いたからか、
友部さんの歌の向こうに、ミチロウさんの声が
聴こえた気がした。

そして、あー「カノン」や。
そのイントロで、友部さんが
ミチロウさんの思い出を語る言葉が、
暖かくて、優しくて素晴らしかった。
もちろん「カノン」も、震えるほど。
ムジカでミチロウさんのカノン聴いたこと、
思い出して、本日、何回めかの涙。

今日は民謡しばりで一曲は民謡歌わんとあかんと、
タテさんに言われたらしく、
珍しく友部さんの民謡聴けた。

うーーーほんで「夕日は昇る」。
「こんど君にいつ会える」って歌詞が!
友部さんが、ワシらと同じ立場に来て、
ミチロウさんを見ている気がして、また涙。

休憩挟んで伊藤多喜雄さん。
盆踊りにふさわしい!!
ミチロウさん、ほんと付き合いが広いなあ。
ジャンルに拘らず、心揺さぶるもの、
ホンモノと自分が思うものには、
ジャンル違っても、年齢違っても、
興味の赴くまま、繋がる人だった。
そこはほんま子供のように純粋に
音楽を愛してる人やったんやなあ、
と思った。
多喜雄さんのソーラン節、生で聴けた!
ミチロウさんも歌ってたので、
盛り上がる盛り上がる!

再びセットチェンジの休憩はさんで、
友川カズキさん。
ノータリンズや羊歯明神でミチロウさんと組んでた石塚俊明さんと、
同じくノータリンズにいた
チェロの坂本弘道さんと一緒に。
歌う前の長いMCでミチロウさんの思い出を。
めっちゃ笑うけど、切なくなった。
歌が始まった。
友川さんひとりでも圧倒的なのに、
そこに叩きつけるようなドラムと、
ドラマチックなチェロが加わって、
マグマから直接噴き上がって
来たかのようなエネルギー。
ミチロウさんもカバーしてた友川さんの曲「ワルツ」。
ミチロウさんと太田さんが一緒に
やってる動画があった!

ミチロウさんと友川さん、
そして三上寛さん、県は違うけど、
東北出身で同い年らしい。
三人のエピソードの三上さんが、
ほんまにおもろかった。
ラストの「ピストル」は圧巻!
壁が吹き飛ぶんやないか?と
思うほどの凄まじさだった。

次、ドラムで出て来たのは?
深く帽子かぶって顔が見えないが
すげえ突き抜けるドラムソロ。
中村達也さんかな?
そして、後ろに入って来た
笛、太鼓、三味線、鉦の集団。
あ!急遽参加が決まった切腹ピストルズか!
この鉦の音!心が騒ぎ出す。
なんかもうワシらのDNAに
組み込まれてるんちゃうやろか。
おー!そこに坂本さんや山本久土さんも加わった!!
坂本さん、火花散らしてる(笑)
あー!祭っぽくなって来た!!
混沌が、ひとつの形になって、
ズバッと曲が終わる!
なんつーカタルシス!!
切腹ピストルズ、さっと引いて、
ドラム、ギター、チェロの三人で、
「カノン」をベースにしたインスト&インプロかな?
静かな感じからスタートしたけど、
やはり最後は再び切腹加わり、
美しいカオスで昇華されていった。

ギターの山本久土さんボーカルで
ドラムはクハラカズユキさんかな?
MJQコンビで、ど迫力!
さすが達者なご両名、二人とは思えない
分厚い音で、会場をどんどん熱くしていく。
クハラさんのドラム叩きながらのコーラス、
カッコええ!!

この時点でライブ3時間超えてた。
疲れ始めたワシは、立ったり座ったり。
なんとかアリーナの一番後ろ、
もたれられて座れる場所、確保できて良かった!

ドアーズの「ジ・エンド」で入って来たのは、
もちろん、ナポレオン山岸さん、
西村雄介さん、関根真理さんの
the endのメンバー。
ボーカルはガスタンクのバキさん。
骨太で、男っぽい演奏、カッコええ!!
バキさんの「ノッキング・オン・ザ ・ヘブンズ・ドア」の咆哮が、
まるでミチロウさん!
すげえ!

次は、山本久土さんに、石塚俊明さん、ここまでは羊歯明神だけど、
これに関根真理さんが入ってるから、
これは羊歯大明神の方かな。
これが、トリらしい。
山本さん、笑いながら「なんで
今まで散々ホンモノが出て来たのに、
これがトリなんだろう」(笑)
伊藤多喜雄さんのいるとこで、
しかもトリでソーラン節。
そら歌いにくいよな(笑)
でも、また全然別の味で、
すげーカッコよくて、すげー盛り上がった。
盆踊りやから、一番近しい人たちが、
音頭でお迎えして、お送りする、
まったく正しい!
「羊歯明神」で、さらに盛り上がる。
石塚さんが「ミチロウくん、
この辺にいるよ」と頭上を指す。
うん!いる!!
それは空の上ではない気がした。
きっと櫓の上なんやろう。
少なくとも今日は。
橋の下の櫓の上のミチロウさんが蘇る。
きっと、演者も観客も、法被姿のミチロウさんを思い浮かべてるのだろう。

「最後の曲」と言って真理さんが歌い出したのは、「我自由丸」。

最後は落ち着いて、ちょっとしっとり
終わろうって感じかな?
ミチロウさん、
「派手に終われよ!」とか言いながら、
照れてそうな気がする。

アンコールは、
全員出て来て「メシ喰わせろ」。
これほんまに、クアトロにいいたいわっ!(笑)(後で説明)
ピカちゃん、ステージからダイブ!
母でもパンク!見事です。

ほんで「仰げば尊し」なるほど!
けど、最後のひとことが辛いな。
「いざ、さらば」。
だけど、繰り返し歌ってるうちに、
なんとなく、ああそうか、って気持ちになって来た。

ミチロウさんとは、もうこの世では会えない。
今までの関係とは、どうしても別れなければならない。
その意味では「さらば」だけど、
それは新しい関係の始まりでもあるんやな、と。
ワシは一生、ミチロウさんとの
今日から始まった関係を続けて行こう。
そう思えたことで、ほんまに今日来て良かった、と感じた。

しかし、クアトロのホスピタリティの悪さは梅田クアトロ以上かもな。
やはり飲食持ち込み禁止だし、
再入場は禁止、
見たところ、食事的なものはない。
五時間にも及ぶライブで、
食事を出さない。 
持ち込みも禁止て、
ここは断食道場か!
おまけに、ドリンクカウンターが
フロア内にあるので、
今日のような満場のライブでは、
カウンターまで行くのに気が遠くなりそうやった。
休憩中は、長蛇の列なんで、
演奏中意を決して行って、
ジャスミンティー頼むと、
街の自販機で大阪なら100円で売ってる
ペットボトル渡される。
ドリンク代、600円。
利益率のことは、この際ええけど、
実際フロアではカップよりペットボトルの方が、
フタ閉められて便利ではあるんやけど、
なんだか、愛がないなーとは思ってしまった。

偶然会った沖縄のみーちゅーさんと少し話して、
クアトロを出たが、五時間立ちっぱなしで、
飯食わずの体に、霧雨の降る
渋谷の人混みはキツく、
センター街で見かけた沖縄そば屋で
スパムそばを喰らうのであった。

わりと安くて美味かったので、
よしとしよう。

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